【営業に行動経済学を活かす】お客様の心理を掴んで商談を優位に進める方法4選

行動経済学 営業のコツ
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営業活動をしていると、お客様はなかなか思ったとおりの反応を示してくれなかったり、良い返事をくれなかったりしますよね。そこで諦めていては営業成績が上がらない、ということになってしまいますので、そんな状況を上手くブレイクスルーしなければいけません。

この記事はこんな人におすすめ

T営業部長
T営業部長
  • お客様の心がつかめずに上手く商談が進められない
  • いつもお客様が言うことを聞いてくれない
  • 行動経済学を営業活動に活かして成果を上げたい

この記事では、行動経済学を上手く取り入れて、理想どおりの営業活動をする方法を説明していきます。

行動経済学を活用して理想的な営業活動をしよう

行動経済学とは近年出てきた学問で、経済的な合理性(お金が高い安い、時間が掛かる掛からない等)だけではなく、人間の心理も加味した経済学と言えるでしょう。

詳しくは下記を参照

5分でわかる!ノーベル賞受賞の「行動経済学」とは人を幸せにする学問だ
10月9日、ノーベル経済学賞が発表され、シカゴ大学のリチャード・セイラー教授が受賞した。日常生活における身近な経済行動について心理学を交えて分析する「行動経済学」の権威だ。行動経済学に関する著書が多い大江英樹氏に解説してもらった。

学問としては新しいものの、それは実社会で使えるものが多く、むしろ営業をしていれば営業活動で使わないともったいないという印象です。

営業は結局のところ確率論に行き着いてしまうので、その確率をどう高めていくかが成功の鍵になってきます。ですから、一つ一つの行動を成果に結びつけるために、確率を上げることに繋がっていることが理想です。

今の営業活動の一つ一つが、経験や感覚頼みになってしまっている場合は、ぜひ行動経済学の基礎を理解して、営業活動の中に組み込んで行くことをおすすめします。

行動経済学を営業活動に取り入れるメリット

  • お客様の深層心理を理解した上手い仕掛けができる
  • 場当たり手な営業活動から脱却し生産性の高い営業活動が出来る
  • 学問として確立しておりマーケティングの世界でも実績あり

【4選】行動経済学を営業活動に取り入れるとこうなる

ここでは営業活動で想定されるケースをもとに取り入れ方を説明します。

1.比較対象を変えてみる

営業活動の中で価格を提示する場面はよくあると思います。提案や見積りを提示するときなどをイメージしてください。 ある一つの条件に基づいて1パターンの金額を出した場合、多くの人が判断するにあたっては悩むことが多いです。

具体例として、 あるサービスを10万円で販売しているケースがありました。 〇〇サービス  10万円 この場合は、この10万円が妥当なのか、お得なのかといった判断基準がなく購入を躊躇することが多くありました。

一方で、販売件数を伸ばすために戦略を見直し、以下のようにラインナップを増やしました。 〇〇サービス  ベーシック8万円  スタンダード10万円  スペシャル18万円 するとスタンダード10万円のサービスが、前年対比で大幅に販売件数が増加し戦略が的中したという好事例があります。

買う側の心理によるものなのではっきりしたことは言えませんが、おそらくスペシャル18万円だと高すぎるけど、ベーシック8万円に値段が近くスタンダード10万円という価格設定に何となく割安感が感じられたのではないかと思われます。

10万円という価格設定は元々あったもので、新たに用意したスタンダード10万円と変わらない価格であり、変わらない内容でしたが、比較対象との比較をすることでその人なりに正しい判断基準に沿って判断をしたと納得したと言えるのではないでしょうか。 繰り返しになりますが、10万円の買い物であることは前も後も変わりません。

こういったことは、スーパーで売っている商品であったり、レストランのコースメニューであったり、サブスクであったり、有料のBS放送、携帯電話のプランなんかも、同じように比較対象を作っていますよね。 そして消費者である自分自身も、比較対象がある中ではその中でもリーズナブルと感じられるものを選んだりしているのではないでしょうか。

実践

皆さんの商談の場面では、例えば、あえて「松・竹・梅」のランク付けを意図的にし、売りたい案に導くというやり方で活用することができます。

  • 松・竹・梅のランク付けをして比較対象をつくる

2.メジャーの仲間入りをさせる

新商品を開発して新規で売り出すときに、より多く売る方法として参考になる考え方です。 すでに世の中に浸透している商品の数々は、かならず世に出る瞬間を経ています。つまりまだ売れるか売れないかわからない状況です。その瞬間、販売する側としてはどのようにすれば多く売れるのかを必ず考えますね。 すでに多くの場面で使われている方法のご紹介です。

新しい洋服のブランドが商品を開発して売り出しましたが、最初は全く売れませんでした。そこで、有名セレクトショップに商品を置いてもらえないかとお願いして、店舗に陳列してもらったところ人気となり好調な売れ行きを記録しました。

買う側の心境として、新しいブランドの新しい商品と聞けば、それが本当に良い商品なのか、自分が買うべき良いものなのか、誰かに自慢できるものなのか、価値のあるものなのか、といった判断基準がありません。 そこですでに世間に対する信頼性のあるグループに仲間入りさせたことで、「きっとこの新しいブランドの商品も価値のある良いものなんだ」という印象を与えることにつながったと考えられます。

最近だと新しいYouTuberが有名YouTuberとのコラボを必死に企画してますね。もちろん露出が多い人との接点があれば視聴回数が増えると考えられますが、新しいYoutuberにとっては、すでに認知度の高いYoutuberと絡むことで、自分に対する信頼を集めることの影響が大きいでしょう。

実践

皆さんの商談の場面では、例えば、すでに信頼を得ている大手企業とのアライアンスをプレスリリースしたり、プロモーションサイトを立ち上げて信頼性の高い商品と並べて掲載してもらう。また展示会などで有名な企業や商品と並んで出展する、といったことが有効だと考えられます。

  • 大手企業とのコラボをする
  • サイトで有名他社と並べて掲載する
  • 展示会に協賛し信頼性高い企業への仲間入りの構図を作る

3.同じ事実でも角度を変えると違って見える

この例はとても有名なので聞いたことがある人も多いかもしれません。 フレーミング理論という言葉と同時よく聞く例としては、以下のものがあります。 重い病気にかかってしまい手術が必要で、執刀医から説明を受けました。

  • この手術は死亡する確率が10%です。
  • この手術は生存する確率が90%です。

両方とも確率としては同じ事実を伝えていると思いますが、受け止める側としては印象が全く違うことがわかりますよね。

実践

<実践> この方法を営業の現場で上手く用いると、例えばこんな表現の違いが出せるのではないでしょうか。

①他社製品には存在しない高画質カメラの例

  • このカメラは高画質の写真を撮影することができます
  • この画質の写真を撮影できるカメラは他にありません

②高エネルギー性能部品を搭載した電動自転車の例

  • この自転車は今までより高いエネルギー性能部品を搭載しています
  • この商品以外で、この高エネルギー性能部品を搭載する自転車はありません

①、②いずれも事実として誤ったことは言っていないと思いますが、いずれも後者のほうがよりインパクトのある印象を受けると思います。

これらは、得するよりも損することを避けようという人間の心理に基づいた現象です。選択の場面でどちらを良しとするかは、損したくない、リスクを負いたくない、という心理が大きく働くということを覚えておくと良いです。

4.選択肢は多すぎないほうが良い

比較対象を用意してあげることの有効性は前述のとおりですが、一方で選択肢は多くないほうが良いと言われています。 私の経験上、提案書にプロコン(メリデメ)表をつけて比較してもらう場合も、ケースによりますが3~6くらいに絞って比較検討してもらうことが多いです。実際、世の中には無数の選択肢があったとしても、お客様に全てを比較してもらうことはせず、ある程度自分の中で分類。集約をして比較を示すことで上手くいっている印象です。 これは、人は無数に選択肢を示すと回避したくなるという心理があるからです。多すぎる選択肢があると、人は混乱やストレスを感じて結論を出せなかったり、変えることをせずにいつも通りの選択をしてしまうことになるようです。

実践
  • 提案書に提示する選択肢は3~6程度にすると良い(すべてを示す必要があればAppendixなどで捕捉すると良い)
  • 他社競合の商談では、お客様に無数にあるコンペ先との比較はさせず、ある程度絞った選択肢に自社を残すアプローチをする(お客様に対して分類・集約を示して当社を選択肢として残してもらう)

まとめ

この記事では、行動経済学を理解することと、それを営業活動に応用することが有効であることを説明しました。 行動経済学の代表例として議論されているケースは無数にありますが、今回は私の営業活動においてもよく出現すものを取り上げてみました。 行動経済学を取り入れるメリットをおさらいしてぜひ営業現場で実践してください。

  • お客様の深層心理を理解した上手い仕掛けができる
  • 場当たり手な営業活動から脱却し生産性の高い営業活動が出来る
  • 学問として確立しておりマーケティングの世界でも実績あり

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