新規での飛び込みや電話のアポ取りをするケースがあると思います。
新規顧客の獲得はとても大事な仕事ですが、正直難しいですよね。
この記事では、私の経験から新規顧客との取引の確率がグンッと上がるシンプルで簡単な方法をお伝えしたいと思います。
この記事はこんな人におすすめ
- 新規顧客の獲得は難しい!どうにかしたい
- 新規獲得をしないとオフィスに戻りづらいから獲得したい
- 営業成績をもっと上げたい
この記事を読めば、新規顧客獲得難しい!という印象が良い方向に変わり、シンプルに簡単に獲得件数が増やす方法を知ることができます。
すぐに答えを知りたい方は、目次から「なぜ2回目以降の訪問(電話)で成果が出やすいのか」に飛んでください。
結論:新規顧客獲得できた理由は2回目以降の訪問をしたから
結論から先にお伝えしてしまうと、新規顧客獲得は確率は、1回目の訪問と比べて、2回目以降の訪問でグンッと上がります。
私が新規顧客獲得件数を伸ばせた理由は、それを知ったからです。
下の方では、私の経験と、なんで2回目以降に確率があがるかという理由、2回目以降の訪問で確率をグンッと上げるためのポイントを説明していきますね。
エピソード1 新人営業のとき
私が新卒で入社した会社は事務機器や企業用のコンピュータを販売する会社で、私自身は第一線で飛び込み営業をする部門への配属が命ぜられていました。
営業職の同期は確か200人くらいいたかと思いますが、新人営業には数か月の間、新規顧客の獲得が命ぜられます。毎月獲得件数が集計され、全国に散らばった同期たちと競争です。
拠点配属で着任したところは首都圏とは違って、会社よりも田んぼや畑の多い地域でした。つまり営業としては効率が悪い地域です。
歓迎会をして頂いた翌日から、新入社員研修が終わったばかりで右も左もわからない新人営業が名刺を片手に飛び込み営業に出かけていたことを思い出します。
指導係の先輩はいたものの、その先輩も自分が任された地域を担当していたため、近くで見よう見まねで覚えて、、ということもなく、必要に迫られて必死にやっていた記憶です。必要に迫られて、というのは当時の上司が非常に怖かったからという以外に何もありません。
飛び込み営業が開始された翌日から、毎朝、日々の集計結果が全国の拠点間で共有され、上司からミーティングのたびに叱咤激励(※)されていたことも思い出します。※叱咤激励と書いて怒鳴る読みます。
やはり最初は全く新規顧客の獲得はできませんでした。
田んぼや畑が広がる広大な地域に点在する企業や工業団地を中心に、今日はこのあたり、今日はこのあたりと、その日に回る地域を決めて、片っ端から新規の企業にドアノックして訪問をしました。
門前払いは当たり前。少し暇を持て余した事務員のおばちゃんがたまに雑談の仲間に混ぜてくれる程度で、ネタというネタには全く繋がりませんでした。塩を撒かれたこともありましたね(笑)
そんなこんなで、最初の数週間はひたすら成果が出ないまま訪問だけを繰り返す日々を過ごしていました。
転機となったのは自分の地域の企業を、ほぼほぼ一通り回り切った辺りでした。
つまり、行き先が無くなったので2回目の訪問を開始したとき、初回の訪問とは明らかな違いを感じました。
何が変わったかというと一番は反応です。
1回目に訪問をしたあと、2回目の訪問をしたのは1か月くらい経ってからでしたでしょうか。前回訪問して挨拶したことをそれなりの数の人が覚えてくれていました。
「あー、また来たの?」
「頑張ってるね」
「そういえばこの前置いていったパンフレットのこれなんだけど・・・」
「次に来たら頼もうと思ってたからちょうどよかった」等々
もちろんほとんどの人は、初回の反応と大して変わらなかったり、覚えてなかったりという感じでしたが、営業は確率論が大いに影響しますから、初回訪問と比較して2回目の反応が大幅に良くなったことは期待される傾向と言えます。
感覚的に反応が明らかに変わり、こちらの話を少し聞いてくれる時間が増えたり、興味を示してくれたり、質問をしてくれたり、会社の内情(誰に権限があるかとか)を教えてくれたり。
2回目の訪問の手ごたえを感じて以降は少しずつ成果(件数)を上げることができ、その結果、新人営業の新規顧客獲得レースは上位10%をキープして終了することが出来ました。
正確な順位は忘れました。当時1位でも獲っておけば、ここでの訴求力も上がったのでしょうが、そうはならず残念!
エピソード2 26歳頃ケガをしたとき
26歳頃、サッカーをしていて大きな怪我をしてしまい手術をしました。入院は1か月程。膝の靱帯を切ってしまったのですがその瞬間に頭をよぎったのは上司に怒られる映像でした。
幸い、そのころにはある程度売れる営業になっていたので、ケガをするまでの月はもちろん、常にネタの仕込みをしていたおかげで、入院していた1か月と、退院して自宅療養していた翌1か月の計2か月は、有給休暇で仕事をせずとも目標の120%超が達成出来ていて、お見舞いに来てくれた上司にも「休んでても成果が出されたら怒ろうにも怒れない」と言われ、お咎めなしで済みました。
しかし大変だったのは、退院した後です。
受注は、見込み案件が減ることを意味しますから、2か月仕事を離れていたことで復帰後のネタ作りに苦労しました。
しばらくは足を固定して松葉杖で生活をしていたため広大なテリトリーを動き回ることもできませんでしたので、復帰直後はタウンページで1日300件の電話営業オンリーで過ごしました。
このころには電話営業にも慣れ、どうすればネタに繋がりやすいかのコツを掴んでいましたので、本格的に怪我が癒え、復帰するころにはたくさん行き先を増やすことが出来ました。
コツは、訪問と同様に、電話でも2回目の電話をすることです。
少し話を聞いてくれる人には、実はケガして動けなくて~と自虐ネタを織り交ぜながら、また電話しますね、復帰したらお邪魔させていただきますね、なんて2回目に繋がるトークをしていましたね。
エピソード3 退職後のアルバイトのとき
新卒で就職した会社でひたすら営業経験をつみ一定の成果をあげたのち(5年間くらい)、その会社は退職しました。
普通、転職を考えている場合は、次が確定してから退職するのが常識なのかと思いますが、転職先を探す間もなく退職をしました。私が退職の意向を伝えると、会社から引き留めが激しくて、冷静に次に行くべき道を判断できないので、まずは辞めてスッキリしてから白紙の状態から次を考えようと思ったからでした。
細かいことは割愛しますが、退職してから次の就職先に入社するまで約2か月半。私はこの間に、頭も体も鈍らないように、と考え営業のアルバイトを経験しています。
某企業のインターネット回線の販売のアルバイトでした。B to C初体験です。
オフィスの場所は新宿の雑居ビルだったと思います。あれ?マンションの一室だったかな?
朝、指定された時間にいくと、事務所の中には営業マンたちであふれていて、熱気がこもっていました。壁には棒グラフの成績表が張り出されていて鼻息荒い人たちが多かった記憶です。私自身、売れずに前の会社を辞めたわけでないという認識でしたので、気後れせずに冷静に居られた気がします。
ここでも上司となる人と簡単な面談をし、そのあとすぐに地図とリストを渡されて現場へゴーでした。
私の担当地域は、東京23区の東部の区でした。
B to Cは初めてとはいえ、しつこいようですが飛び込み営業で新規顧客を獲得するポイントは押さえてると自負していましたので、まずはバーーッと一通り訪問し、2度目の訪問で案件を獲得したり、見込みにしたりと成果をあげることができました。
給料はというと、インセンティブ込みで1か月目70万円弱でした。
1ヵ月目が終わると急に異動が命ぜられて、??という感じでしたが、異動した先はコールセンター専属の営業でした。
何をしたかというと、コールセンターでアポ取りの電話をしているアルバイトの女性陣の支援や、トークの指導、そしてアポが取れた先へ訪問してのクロージングです。女性が電話をしている途中で取り継がれ電話でクロージングをしたこともありました。
アポが取れて訪問をした先では契約率100%でした。(アポがキャンセルになった先は数件ありましたがそれは除く…言い訳ではない)
①アポが取れて、②訪問をするというのは、つまり2度目のコンタクトだったので契約率が高まったのです。
2か月目+半月の給料は70万円で、無職の機関に良いアルバイトが出来たなと思っています。
なぜ2回目以降の訪問(電話)で成果が出やすいのか
私自身、ナゼだろう?と思いながらも感覚で営業していて、成果が出ることを経験していましたので、理由を探してみました。
ザイオンス(ザイアンス)効果というのが関係ありそうです。
単純接触効果とも言うみたいです。
出典:Wikipedia
簡単に説明すると、最初は興味がなかったり、好きではないものも、繰り返し接しているとだんだんと良い感情が起きてくる、という効果だそうです。
例えば、告白してフラれても何度かチャレンジしたらOKがもらえた、とか、あんまり興味がない歌が流れてるけど何度も聞いていると好きな曲になってた、とか、いろんな場面でザイオンス効果が表れているとのことです。
CMなんかでも何度も同じ曲や映像が流れて、いつの間にか親しみを感じたり、この商品良さそうだな、自分も欲しいなと思うようになっているというのもこの効果でしょう。
ただ、「嫌い」が確定している場合、何度も繰り返すのは逆効果で、嫌が増してしまうということも実証されているようですので、状況の見極めは大事です。
いずれにしても2回目以降の訪問で反応が変わってるなぁと感じていたのは、ズバリこれだと理解しています。
2回目以降の訪問で成果をあげる2つの秘訣
秘訣1:2回目以降の訪問を見越したシナリオで1回目の訪問をする
今改めて新人時代を振り返ると、古き良き時代の先輩営業の影響を受けていたせいか「飛び込み即決カッコイイ」という神話があって、それに悪影響を受けていたと感じます。
つまり私自身、「即決できる先を探さなきゃ」と初回訪問を繰り返していたのではないかと思っています。
即決は、確かに営業力があってなせる業と言えるのかも知れませんが、実はたまたま購買意欲が高まってるところにタイミングよく飛び込んだだけだと、今では冷静に理解しています。
ですから、1回目の訪問の位置づけは結果ではなく、あくまでもプロセスの一つと割り切りましょう。
具体的にどうするか。
・次回また来ることを伝える
出来れば、「来週きます」とか「今月中にきます」とかある程度の目途感を伝えたほうが良いです。
次回また来るという口実は何でも良いでしょう。「この地域に用事がありまして」とか「近くにアポイントがありまして」と、相手の負担にならず「来なくてよいよ」と言われにくくなります。
電話の場合、初回の電話で聞いてくれる状況であれば、訪問時とどうようにいくつかのネタを仕込み、再度電話する旨を伝えましょう。
秘訣2:宣言した通りに2回目の訪問をする
「また来週きますね。」と伝えることができたら、宣言通りに再訪問しましょう。
電話の場合であれば、宣言どおりに電話します。
経験上は、初回訪問と2回目の訪問の間隔を、あまり空けすぎないのが良いと思います。
大事なのは、初回訪問時にこの2回目の訪問を想定したネタの仕込み(約束)が出来るか、ですので、1回目は1回目、2回目は2回目と別々のものにならないように、シナリオ通りに進めましょう。
一方通行の約束かも知れませんが、相手には意思は伝わり、宣言通りに再訪問することで信頼度も高まります。
初回訪問時に何を話すの?どんなネタを仕込むの?という質問に対しては、扱う商品や業種等によっても変わってきますので無数に考えられると思いますが、例えば、初回訪問で話を聞いてくれる状況であるならば、チラシやパンフレットを置いてきて、「ご興味ある内容があれば次回ご説明しますので、お手すきのときに目を通しておいてください」と伝えておけば、それだけでも効果が高まります。
また、今回は2回目の訪問に焦点を当てて書きましたが、ザイオンス効果としては3回、4回と重ねることで効果が高まるということなので、2回目の訪問で方向性が出なければ、あきらめずに繰り返すことがネタを増やすうえでは大事です。
ちなみに10回が効果の限界で、それ以上は効果は横ばいになるほうです。
私の経験では、全くのド新規の企業に飛び込み、1年間20回以上訪問を繰り返し、他社が導入していた商品を全て自社製品に入れ替えたということもありますので、あくまでも自分でビジネスの匂いを嗅ぎ分けるのが良いと思います。
まとめ
新規顧客開拓のをするためには、2回目以降の訪問をするということがポイントです。
そして2回目以降の訪問の効果を高めるためには、2回目以降の訪問の想定したシナリオを持って初回の訪問をすることです。
新規顧客を獲得するということは非常に難易度が高く、営業行為の中でも多くの営業が苦労するものですよね。
いくら数多く飛び込んでも全く「アタリ」が見つからないなぁとか、今日も成果を持って帰らないと怒られるなぁと嘆いている人も、初回の訪問だけであきらめずに2回目の訪問で成果を上げられるよう計画立ててみてください。