数多くアポイントの電話やメールをしてやっとのこと獲得した初回訪問の機会、何とかモノにしたいと思いますよね。
アポイント⇒初回訪問ときて、まだまだ成約確率の低いフェーズですが、初回訪問の質を向上させることで再訪問の先がグッと増え、ひいては案件確度の向上にもつながります。
この記事ではその初回訪問の質を上げるためのポイントを説明していきます。
この記事はこんな人におすすめ
- 初回訪問、どうすればよいのかわからない人
- 初回訪問でお客様を惹きつけたい人
- 見込み案件を増やしたい人
この記事を読めば、効果的な初回訪問をすることができ、見込み案件の確度を高めることが出来ます。
事前準備を怠りなく
営業活動の大半は事前準備で決まると考えたほうが良いでしょう。
ベテランの人やセンスのある人は脊髄反射でその場を上手く切り抜けたが経験があり、「オレは準備なんかなくても売っていける~」なんて思いがちですが、例え外部環境の変化があっても、売るものが変わっても、継続的に成果を上げていくためには、いつも変わらず事前準備をする癖をつけていくことをおすすめします。
ここでは初回訪問に向けて必要な事前準備について説明していきます。
相手企業の分析
インターネットや情報誌から収集可能な情報
- 企業情報(沿革や事業内容等)
- 企業の特徴(モットーやビジョン等)
- 経営者メッセージ
- 経営者略歴
- 相手企業の業界情報(トレンド、変遷、競合他社等)
社内や身近なところから収集可能な情報
- 顧客データベース(Sansan、Eight等)
- 詳しい社員へのヒアリング
- 過去に別の担当が接触していないか
- 過去に提案していないか
- 過去にクレームなどもらっていないか
- 他社製品(サービス)の導入(利用)状況
これら箇条書きで挙げたいくつかは最低限です。
もちろん事前に調べがつかないものもあると思いますので、失礼のない範囲でお客様に直接聞くことも良いでしょう。そのために、調べがつかなったものを質問一覧を用意しておくことも大事です。
シナリオの準備
初回には見えていないこと、知らないことが多分にあるので、100%正解のシナリオを作ることは難しいですが、事前準備の中で調べた情報をもとに仮説を立てて、初回訪問時の流れをイメージしておくことが大事です。
また、社内の関係者も同席する場合には、収集した情報を共有するとともに策定したシナリオについても認識あわせをしておくようにしましょう。
- 誰が挨拶をするか
- アイスブレイクのネタは何を話すか
- どのタイミングで本題に触れるか
- 資料はどのタイミングで配布するか
- 誰が説明するか
- 資料のどの部分を強調するか
- 説明時間は何分か
- 質疑応答の時間は何分か(多めが良いか少なめが良いか)
- 何をヒアリングするか?
- 誰がヒアリングするか?
- 誰がどう終わらせるかどうするか
想定どおりに進まないことはよくあるので臨機応変に対応することが必要ですが、基本の流れは事前に書き出して頭に入れておきましょう。
一言一句言い間違えないように、という感じで暗記をすると想定外が起きた際に柔軟に対応できない恐れがありますので、訪問の目的と、上記の箇条書きの項目それぞれの意味を理解しておくのが良いです。
また、上記箇条書きの中に「誰が」「何を」という部分がありますが、これは単に順番に誰かが喋れば良い、というものではないので、同席者が誰かに応じて目的を持った役割分担を決めましょう。例えば、相手側も自社側も上席者が同席していれば、冒頭はその層の人間から話すのが一番違和感が無いでしょう。
初回訪問の最大目的は次回につなげることですので、それを踏まえた内容をシナリオの中に入れておく必要もあります。詳しくはこの後の項で説明します。
資料の準備
会社紹介のパンフレットやカタログを配ることは、資料作成の手間も省けるため非常に効率的です。
しかしながら、別の記事でもお伝えしているとおり、お客様は特別なものを好む傾向がありますので、「あなたのために資料を作ってきました」という思いが極力伝わるような工夫を資料作りの中に盛り込みましょう。
- 会社紹介
- 事業内容の説明
- 商品概要
- 取引実績
これらが初回の資料のコンテンツとしては基本的なものですが、例えば商品概要を説明する際に、相手のお客様にフィットするかを吟味して仮説を立て、お客様の状況に合わせた商品だけを切り出して説明をしたり、同業他社で評価を得た実績を抜き出して説明をします。冗長性の高いものよりも、相手の心に残るものをハイライトさせて作ることが大事ですので意識してみましょう。
一方で、何社も訪問する中で毎度0から資料作成をすることも非効率になりますので、ある程度大枠の標準資料(マスター)をパワーポイント等で作り、お客様に応じて必要なページを見繕って持参するのが良いでしょう。表紙だけ書き換えることを忘れずに!
また、手元の資料(提出しないで手控えとして持参する資料)として以下のものも用意していきましょう。
- ヒアリング(質問)一覧
- 想定問答集
※想定問答については、シナリオを立てる中で良く練り、他社訪問時に出た質問事項などを盛り込んで同じ質問が出たときにしっかりと答えられるためにも準備しておきましょう。
初回訪問で突っ込んだ話題にならないようなレベル感であれば、ヒアリング(質問)一覧や想定問答も流用可能ですね。
2回目以降の訪問を意識する
前述のとおり、初回訪問は2回目以降の訪問につなげることが一番の目的です。
商談のステージが進むにつれて見込みというのは減っていくものですが、なるべく減らさないためにも初回だけでは終わらせずに、次回への訪問のきっかけ作りをすることを意識してください。
「シナリオの準備」の中で挙げた下記項目の特に最後の4つ。ここに次回に繋がるアクション(発言や資料提示)を集約させるべきでしょう。
- 誰が挨拶をするか
- アイスブレイクのネタは何を話すか
- どのタイミングで本題に触れるか
- 資料はどのタイミングで配布するか
- 誰が説明するか
- 資料のどの部分を強調するか
- 説明時間は何分か
- 質疑応答の時間は何分か(多めが良いか少なめが良いか)
- 何をヒアリングするか?
- 誰がヒアリングするか?
- 誰がどう終わらせるかどうするか
ゴールを設定して宿題を持って帰る
では、どうやって次回に繋げるか、です。
それは、初回訪問のゴールを設定することです。
一般的には、初回に軽く商品やサービスを紹介したあと、「ぜひ次回もう少し詳しい話を聞かせてください」と相手から言われる状況が作り出せれば、良い訪問だったと言えるでしょうか。
例えばこれをゴールとするのであれば、逆算してストーリーを考えます。
初回で、相手の知りたいことをある程度伝えきってしまえば、提案(訴求)の場もなく、相手の中で答えを出してしまう可能性があります。
ですので、例えば、
- ネタは小出しにしもっと聞きたいという状況を作る
- 初回の訪問では抽象的な表現で説明し、具体的な訪問を次回に持ち越しの状況にする
- 他社情報など有益な情報を遠回しに伝え、次回、別の担当からの説明の機会に導く
- 雑談などからキーワードを拾って別の話題で次回に繋げる
自分の状況に置き換えて具体化してもらいたいと思いますが、話の流れの中で、極力、次回訪問の機会を設けることが不自然でない状況を作るのがベストです。
一方で、初回訪問が中々盛り上がらなかった、なんて状況もあるでしょう。また上記の理想的なゴールにたどり着けない場合もあるでしょう。
そんな時も、そこで切り上げてしまえば、初回訪問を無駄にすることになりますので、盛り上がらない状況でも次回訪問に繋げられるためのネタを用意しておきましょう。
「シナリオ準備」の項目に追加しておきます。
- 誰が挨拶をするか
- アイスブレイクのネタは何を話すか
- どのタイミングで本題に触れるか
- 資料はどのタイミングで配布するか
- 誰が説明するか
- 資料のどの部分を強調するか
- 説明時間は何分か
- 質疑応答の時間は何分か(多めが良いか少なめが良いか)
- 何をヒアリングするか?
- 誰がヒアリングするか?
- 誰がどう終わらせるかどうするか
- 話が盛り上がらなかったときにどう次につなげるか(追加)
相手から、是非また来てくださいと言われなくても、次回の訪問の機会を申し出ることで、了解をえられることも沢山ありますので、あきらめずに食い下がりましょう。
- 実は再来月イベントを予定しておりまして、間もなく案内状が出来上がるので次回持参させてください。
- 年末にカレンダーをお持ちしたいので、日程が近くなりましたら年末挨拶の相談をさせてください。
- 今度新製品の発表を予定しており、デモンストレーションさせてください。
上記の通り、ベストシナリオどおりに事が進まず、すぐに案件化に繋がらなそうであっても、話を切り替えて2番目のシナリオ、3番目のシナリオを用意しておくと焦らずその場をブレイクスルー出来ることでしょう。
そして、それらシナリオについては、自分ひとりではなく、同席者が居れば全員と共有する必要があることを忘れないようにしてください。
複数人で訪問すると、お見合いして発言のタイミングを見失ったり、ここまで言って良いのかなぁと悩んで言わずに終わってしまうことがありますので、やはり事前準備、認識あわせ、役割の明確化が重要です。