今、転職市場は売り手市場(企業の需要が大きくて転職希望者が転職しやすい状況)で、各企業が必死になって営業事務の採用活動をしているのが実情です。
これから営業事務として働きたいと思っている方にとっては非常に良いタイミングで、実際に私も中途採用の面接や派遣会社の営業さんと会話する機会が圧倒的に増えてきています。
そんな中でも確実に良い職場に就きたい、と営業事務を目指す方に向けて、採用面接でのポイントを説明していきます。
この記事はこんな人におすすめ
- これから営業事務として活躍したいから、是非面接を成功させたい
- 営業事務として就職したいけど、面接が不安
- 面接でしっかりとした受け答えができるよう準備したい
採用側の企業が、営業事務に何を求めているのか、どんな人が採用されやすいのかを理解し、優良な人材として採用される方法を知りましょう。
採用されるためには何が大事?
営業事務として採用されるまでにどんなプロセスを踏む必要があるのでしょうか。
いくつか欠かせないポイントはありますが、その中でも面接が最も大事なもののひとつであると言えるでしょう。
この記事では、営業事務を目指している方に向け、現役の営業部長目線で面接のときによく聞かれる観点や質問に対する正しい対応方法を、11の質問になぞらえて解説します。
この記事を参考にすれば、採用面接時に企業から高い評価を得られる方法がわかります。
営業事務ってどんな仕事??という方はぜひ下記の記事も参考にしてみてください。
面接に向けた基本的な考え方
それは、面接官にとってあなたが、入社後に一緒に働きたい人材かどうかを見極めようとしている、それが面接だということを理解することです。
面接の中では自己紹介やこれまでの経験、志望動機などありきたりな質問があります。
いずれもありきたりな質問とはいえ、面接官にとっては大事な質問です。
そこで大事な考え方としては、ナレーターのように上手に間違えずに資料を読みあげることよりも、自分の言葉(気持ち)として相手に届けらることが大事です。
もちろん履歴書やキャリアシート(経歴書)に書いてあることをしっかりと頭に入れておくことは大事ですが、暗記してきた言葉で伝えることよりも、気持ちを込めて自分の想いとして伝えられるように心がけましょう。
【営業事務の面接】面接官から高確率で聞かれる11の質問
ここでは営業事務採用の面接においてよく質問されると想定される9つを紹介します。
あらかじめどんな質問が来るのかわかっていれば準備ができますし、慌てず対処ができますね。
自己紹介をしてください
文字どおり自己紹介ですので、名前や簡単な経歴、自己PRを伝えます。
ただ、ありきたりなことを伝えるよりも、少し気の利いた受け答えをすることで面接官の印象も大きく変わります。
自分の経歴を伝える中で、単に〇〇という仕事をしていました。と答えるよりも、よりその業務を理解していることが伝わるようにすると良いでしょう。
例1
月末や期末には契約書が集中してしまうことが多かったのですが、営業さんとの日々の連絡を密にして、極力計画的に事務処理ができるように努めてきました。
例2
定型作業だけではなく、営業さんからの都度依頼される作業に対応するために、他の営業メンバーとの作業内容の共有をして期限に遅れないよう工夫をして対応していました。
例3
営業事務にとっては、あらゆる事務作業の期限が最も意識すべき観点だと理解しておりますので、遅滞がないように上司とのスケジュール共有を日次で行い、営業さんや本部からの依頼作業に関しても漏れが無いように対応してきました。
例4
上司への報告を一番大事にしており、営業さんの活動には想定外のことがつきものだと思っておりますので、何かが起きれば常に上司に相談しながら、大きな影響が出ないように努めていました。
といった感じで、淡々と仕事をしてきたことを伝えることも大事ですが、それだけではなく、日々の業務の中で自分が何に重きを置いているのか、自分が得意としているものは何なのかといったことを付け加えることで、自分の人柄を面接官に伝えることができるでしょう。
この質問で面接官が知りたいのは、どういった姿勢で仕事にあたってくれる人なのか、一緒に働くことになったら頼りになる同僚・部下になってくれるか、ということですから。
長所を教えてください
この質問では、自分が長所だと自覚していることを答えるとともに、具体的なエピソードを交えて説明することができると、面接官にとっても情景が思い浮かべることができ、伝えたいことが伝わりやすいです。
例えば、
私は誰かの役に立つ仕事は苦にせず行うことができます。
営業さんがトラブル対応で急遽残業をしなければいけなかったことがあったのですが、営業事務の立場から貢献できることもあると思い、一緒に残業をし当初よりも早く仕事を仕上げることができました。
その営業さんも、無事にトラブルを解消することができ、お客様からも感謝されている様子を聞き非常にやりがいを感じました。
とか、
私は同僚の皆さんの過ごしやすい環境づくりをすることを心がけて仕事をしており、自分にとっての長所と言えるかと思っています。
ちょっとしたことですが、朝定時より5分早く出社して、観葉植物に水をやったり、机やキーボードを拭いて除菌をしたりと、業務としての指示は受けていないのですが、気持ちの良い環境づくりを心がけて取り組みました。
とか、
業務の改善が得意だと思っています。
会社ですと担当が変わるごとに業務の引継ぎがされるので、それが当たり前の仕事としてこなしがちです。
ですが、実際は時間をかけて業務内容が変わっていることも多く、そこに非効率があることがあります。現状に一番最適な業務の流れは何かということを常に意識をして、上司に改善提案をすることを心がけてきました。
といった感じで、エピソードや具体的な経験を用いて説明すると、面接官は「なるほどー」となるでしょう。
短所を教えてください
短所って見方によっては長所と捉えられることもあると思いますので、ネガティブに伝えるのではなくて、自分が短所と思っていることを逆手にとって、自分の特徴であり良さなんだと自分自身で信じることが大事です。
例えば、
私の短所は何でも慌ててしまうことです。
我が家での家事でも同じで、何か考えたり手を動かしていないと落ち着かないところがあり、目の前にある仕事もなるべく早く終わらせてしまいたいと思うところがあります。
慌ててミスがあってはいけないので、ミスが無いように細心の注意を洗いながら業務を習得し、慌てるということではなく、業務効率を上げるという方向で貢献できればと思っています。
とか
私の短所はマイペースだということと自覚しています。
決められた時間に業務を終わらせるということはこれまでも徹底してやってきたのですが、自分のペースを変えてやることが苦手で、突発的な作業が発生した時などはしっかりとした再計画をしないと不安を抱きがちです。
マイペースのおかげでこれまでミスもなく、丁寧な仕事をするという自分が守ってきた点はこれからも継続していきながら、よりスピードアップできるようになることも目標にあげて取り組んでいきたいと思います。
とか
私の短所は楽観的過ぎるという点です。
前職でも部署内では大きな声で話すことといつも笑顔でいることを心がけ過ぎたせいか、真剣味にかけるという評価もたれることもあるようです。
作業は丁寧を心がけていたため、問題なくできておりましたが、今後はもう少し場をわきまえた過ごし方ができるように心がけていきたいと思います。
一方で、周りの方の盛り上げ役になれるのであればありがたいとも思っております。
という感じで、一見短所と思われるようなことも、見方を変えたり、表現を変えることで与える印象はポジティブなものに変わってくると思います。
志望動機を教えてください
志望動機は、この会社に入社したい、という熱い想いを伝える場面です。
ですが、実際入社もしていないのに、会社の中のことはわからないし、適当なことも言えないので、小手先のテクニックでは答えるには難しい質問だと私も思います。
ですので、まずは志望動機を答えるための材料集めの仕方を知りましょう。
一つ目は、会社のホームページで調べる
会社のホームページはその会社の顔です。お客様や入社希望者向けに情報が整理されていますので、必ず目を通し大事な情報は頭に入れておきましょう。
二つ目は、自分の営業事務の経験から、その会社でも貢献できるポイントを掘り下げる
会社のホームページで情報を調べたうえで、過去の自分の経験から活かせそうな部分を洗い出して、アピールポイントとして整理していきましょう。
三つ目は、第三者の情報で会社の雰囲気を探る
Openworkや転職エージェントサイトから企業情報を得ることができます。ウェブ上の情報集めにも限界がありますが、エージェントから直接ヒアリングすることで志望している企業のリアルな情報、状況を知ることができます。
これらを踏まえ、例えば、
御社を志望した一番の理由は、社風にある風通しのよい雰囲気という点です。
ホームページで拝見した限りでは、上司部下の関係はあるものの、気さくに話しかけられたり、相談できる環境があるとのことでした。
24時間のうちの大半を職場で過ごすことになることを考えれば、人間関係というのは私にとって一番重要なポイントだと考えています。
また、エージェントさんからもヒアリングをさせていただき、過去に入社された方から印象としても、良い雰囲気でいらっしゃることを伺いました。
そういったことから、この度志望させていただいている次第です。
新卒であれば、人事担当者だったり先輩社員と接する機会もあるので、社員がどういった雰囲気かは掴めると思います。
といった感じでしょうか。
実際には第一志望でなくても、選考過程であれば嘘も方便ということで、自信を持って第一志望ということを伝えましょう。
なぜ、営業事務職を志望したのですか?
他の職種でも同様ですが、なぜその職種を選んだのか、は必ず聞かれます。
前述の「長所・短所」と似た観点でもありますが、自分自身がどういった人間で、志望している職種に合うと分析できているかを見ていると考えましょう。
自分の性格や、特徴が、その仕事に活かせるかということですね。
休暇が取りやすそうとか、仕事が楽そう、といった答えは、仮に本心だとしても仕事に対する熱量が伝わらないので避けたほうが良いですよね。
ではどんな感じで答えられると良いでしょうか。
例えば、
営業というのは企業活動にとって最も大事な仕事の一つだと理解しています。
私自身はそういった重要な部署での仕事に関わりたいと思っております。
私自身の性格では、誰かを支え、役に立ちたいという思いが強く、営業部門の中で貢献できるとすると、営業事務として活躍できる人材になることが、自分自身の充実と会社への貢献につながると考えました。
入社当初は、学ぶ機会が多いと思いますが、一日も早く業務を習得し、期待される以上のパフォーマンスが出せるよう頑張りたいと考えています。
とか、
営業事務という仕事は、会社の中で数ある職種のうちでも最も重要な仕事だと自負しています。
会社は計画性を持って経営をしますが、営業事務はその計画を守り、健全な運営をするうえで欠かせない業務を担っていると考えているからです。
私は日ごろからコツコツと業務をこなすことが得意で、ミスが許されない環境ではありますが、自分の長所を生かして活躍できるのが営業事務という職種だと思っています。
まずは完ぺきに営業事務という仕事を覚えて、将来的には、もう少し広い視野を持った業務にもチャレンジできるよう努力していきたいと思います。
みたいな感じでしょうか。
これまではどんな仕事をされていたでしょうか?
転職の場合、面接官は前職でどんな仕事をしていたかを聞いてきます。
入社したあとに、これまでの経験が活かせるポジションがあるか、今会社として不足している役割があれば、そこで活躍できる経験を持っているかを確認したいわけです。
これまで営業事務経験があれば、仕事の内容や営業や営業事務について十分理解していることを伝えましょう。
もし別の職種からの転職であったり、初めて仕事をする場合であれば、営業事務として必要とされる能力に近い経験を訴えられると良いでしょう。
募集要項に必須要件として書かれていたり、特定の能力や経験を持っている人を採用するスペシャリスト採用でなければ、そこは人間性などを含めた総合判断をしますので、必ずしも前職の経験だけで判断されるわけではありませんから安心してください。
例えば、
前職では営業事務ではなく一般事務の業務についていました。
営業事務と一般事務では業務内容が異なりますが、事務処理の全体の流れとして営業事務の業務内容を理解したうえで一般事務を行っておりましたし、連携して業務を行う機会も多かったため、抵抗感なく営業事務を担うことができると考えております。
とか、
営業事務職についてはこれまで経験がありませんが、事務職として必要とされるPCスキルはこれまでの仕事の中でも経験しており、WordやExcelといったアプリケーションは一通り行うことができます。
また学生時代にも簿記の資格を取得しており、数字を扱うことについても馴染みがあるため、営業事務という仕事においてもお役に立てると考えております。
というように、これまでやってきたことがイメージとして伝わりやすい説明をするのが良いでしょう。
一般的なPCスキルはありますか?
手書きで業務を行う会社も数少なくなってきましたので、ほぼ100%パソコンを使うことになります。
また、ネットサーフィンレベルではなく、ある一定程度のPCスキルは必要になってきます。
営業事務をする上では最低限必要になる能力ですので、まだ自信がない方はある程度レベルアップをする必要がありますね。
独習したりオンラインで学ぶ機会も増えてきましたので、キャリアアップのためにも自分磨きをしましょう。
業務内容についてもう少し具体的に教えてください
前述の質問で、過去の経験について質問されるということを書きました。
ここでの質問の意図は、単に漠然とやらされ仕事をしてるわけではなく、仕事の内容を理解したうえで業務を行える人かどうかを確認しています。
具体的にというのは、営業事務をしていましたということを聞きたいわけではないので、理解度が伝わるような回答をする必要があります。
例えば、
営業事務は、主に営業さん見積作成をするところからスタートし社内手続きのサポートを行いました。
契約書についても法務部門への代理依頼などを行い、契約タイミングまでに契約書を作成する業務を担いました。
商談が進み契約が締結されると、営業さんが持って帰ってきた契約書をもとに受注管理システムへ入力し購買部門と連携し発注行為を行います。
こういった一連の営業事務を行っていました。
このようにより詳細まで自分の口から語ることができれば、しっかりと業務内容を理解したうえで仕事をしていたことをアピールできます。
部長からの指示で仕事をしていました。とか、作業一覧があったのでそのとおり業務を行っていました。ということ以上の説明ができないとなると、指示待ちなのかな?1~10まで指示しないと仕事が回っていかないかも?と思わせてしまいます。
転職する理由を教えてください
この質問では、この後のキャリアパスが描かれているのか、前向きな転職なのかを確認しています。
実際のところ転職をする人の数だけ転職理由は存在します。もちろん会社に対する不満だったり、お金がいっぱいほしいからとか、激務だったから楽な仕事に就きたい、という理由もあるでしょう。それ自体は全く問題ないです。
ただ、雇う側はどう考えているかと言えば、多くの面接官は長く活躍してくれるかどうかを気にしています。
ですから、その期待に対して適切な答えをすることが大事になってきます。
逆を返すと、前の会社での待遇が良くなかったからとか、人間関係が良くなかったから、昇給が一切されなかったから、忙しかったから、という理由を伝えてしまうと、面接官はうちの会社でも同じことが起こる可能性があるかも、というイメージが沸いてしまいます。
決して兵隊のように一切の不満も言わずに働く人を求めているわけではないですが、出来れば今いる社員とも仲良く、不満があっても話し合いで解決したり、ポジティブな発想で業務に向き合ってほしいと思っているはずです。
ですから、前職で不満などがあってもそれをダイレクトに伝えることなく、面接では極力前向きな発言をすることが良いです。
一方で、給与などの条件面で妥協する必要もないので、そういった内容の場面になった場合はちゃんと希望を伝えるようにしましょう。
テレワークでの業務経験はありますか?テレワーク勤務は可能ですか?
世の中、テレワークで勤務することが増えました。テレワークの経験がある方にはよくご存じのとおり、出社して業務するのと比較して、仕事のしやすさ、しにくさみたいなものがあります。
例えば環境面。
会社によって環境を準備してくれる場合もありますが、インターネットなどは各家庭で整えなければいけなかったり、机や椅子なども揃えなければいけません。
家族が居たりすると、音なども気になりますね。
そういったことも含めて、テレワークでの業務経験があるかないか、本人にとっての仕事のし易さに繋がりますので、この質問がされることが多くなりました。
また、事務系の職種については、全面的にテレワークに移行している企業もありますから、その場合はマストでテレワークをすることになりますから、テレワークできるかできないかが採用の条件になります。
聞かれなかった場合は自分から聞くことも必要ですね。
今後のキャリアをどう考えてますか?
この質問に関しては、二つの意味合いが考えられます。
一つは、中長期に渡って勤務してもらえそうか?という点です。事務職というと単純作業の繰り返しとイメージする方も多いかもしれませんが、一定のスキルを要しますし、ある程度のスキルをつけるためには教育をする必要があります。
そうなると教育担当の社員のコストも発生しますので、新しく入ってもらう方にはそれ以上の活躍をしてもらいたい、と思うのが会社としての期待です。
例えばあまり深く今後のキャリアについて考えていないとすると、ちょっとしたことや、気まぐれで辞めてしまったりすれば、会社としては損失になってしまいますからそうならないように前向きな人材を雇いたいと思うでしょう。
まずは自分のキャリアを真剣に考えるのが先決ではありますが、自分に合いそうな職場であれば、早期に業務を覚えて中長期で役に立っていきたいということを積極アピールするのが良い方法だと考えます。
もう一つは、向上心があるかどうかという点を見ていることが多いでしょう。
事務職といえど与えられたことを淡々とこなすだけではなく、プロアクティブに活動してくれるような、営業部の一員として業績に貢献してくれそうな素養のある人が高く評価されるのが一般的です。
早く業務を習得する意識があるか、であったり、多少難しいことも安易に断ったりしないかどうか、という観点を気にして聞いている可能性があります。
もちろん契約外のことだったり、極端に難しいことをする必要はありませんが、人間同士ですからシンパシーを感じて一緒に仕事をしていきたいと思うものです。
お子様がいたりして時間の制約がある方も、働ける時間の中では精いっぱい活躍したい、という意向を示せるのが良いと思います。
まとめ
転職するにあたって面接という難関を突破することは必須です。
日頃の仕事をしっかりしていれば、決して慌てることはないのですが、やっぱり転職活動には準備が大事です。
仕事をしながらの転職活動だと、なかなか時間が取れずに苦労をしますが、ぜひこの記事で面接で聞かれるポイントを絞って効率的な準備をしてみてください。
この記事にない質問の最適な答えが知りたい、ということであれば是非個別にTwitterのDMでお問い合わせください。