年間計画達成のために!営業の案件管理の仕方について

案件管理 営業の計画
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営業の皆さんは、日々案件管理をしていますでしょうか。

日々の活動が場当たり的なものにならないように、計画性を持って活動することが必要です。

その中でも、案件ひとつひとつのステータス(状況)をしっかり把握し、先の見通しを立てることが年間の計画を達成するために重要な行動になってきますので、適切な案件管理の仕方を理解していきましょう。

この記事はこんな人におすすめ

T営業部長
T営業部長
  • 案件管理ってなに?
  • 年間の計画を立てるけど、予定通りに終わらない
  • みんなどうやって案件管理をしてるの?

 

この記事を読めば、案件管理の目的や方法を学ぶことができ、実践的で効果的な案件管理を行うことが出来るようになります。

 

案件管理とは

営業活動は、目の前のことを闇雲にこなすより、ゴールから逆算で計画を立てそれに則って進めることで、より達成に近づくことが可能になります。

 

逆算の計画の立て方について知りたい方はこちら

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営業年度の一年、その一年間でいくら受注できそうか。もしくは、いくら足りないのかを把握するための情報の管理が案件管理ということになります。

活動内容やボリュームを計画に落とし込むことで達成に向けた活動計画を立てることが出来ますが、並行して今自分が抱えている見込み案件の総量がどの程度で、それぞれがどういった確率で受注できるかを常に把握し、目標を達成するために必要な次の動き(ネクストアクション)を明確にしていくことが案件管理をする目的になります。

案件管理

案件管理の内容によって、活動計画の修正が必要になり、その結果、案件管理の内容が変わっていくといった、相互に緊密な連動性を持たせ、一年をとおして醸成させていくのが理想です。

手法としては様々ですが、受注予定時期や受注確度、受注予定日などの情報を一覧ベースで管理していくのが一般的です。

昨今ではSFAを用いて多面的に管理していくやり方も一般的になっています。

SFAを導入するメリットの多くは、一義的には管理者(経営や営業管理職)側の目線のものであると考えますので、この記事ではSFAなど営業支援システムを使うか使わないかに関わらず、営業本人が良い成績をあげるために必要な「案件」を「管理」するという点に寄り添って説明していきたいと思います。

案件管理の項目

案件管理で押さえておきたい項目について説明します。

最後の項では、具体的な表の作り方や、案件管理の活用法も説明していきます。

お客様名

どのお客様で案件化しているのかを把握するためには必須の項目です。

もし、同じお客様(会社)の複数部署で案件化する可能性があれば、部署名も分類して管理したほうが良いでしょう。

提案名(案件名、商品名)

会社の業種、業態、扱う商品によって無数に表現可能な項目ですが、案件の特徴がわかるものを案件名として、案件管理上も明記しましょう。

扱う商品がジャンル分け出来るようなものであれば、分類しておきましょう。あとで分析する際に楽になります。

見積金額(売価、ネット)

案件の金額を書きましょう。扱う商品が分類できるものがあれば、品目ごとに金額を分けておくと、あとで分析する際に楽になります。

原価(コスト)

仕入れ価格、人件費、諸経費等、原価をかきましょう。

粗利(粗利益、グロスマージン)

売価-原価=粗利です。

売上規模が会社経営の指標にもなりますが、民間企業は利益を出すことを目的に事業を行っていますので、粗利は営業としても大事な指標です。

会社が損益計算書に記載する利益の中に、営業利益、経常利益がありますが、粗利とは意味合いが違いますので認識しておきましょう。

営業利益 = 売上総利益 - 販売費及び一般管理費
経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用
営業利益は、投資(営業活動やプロモーション活動等を含む)に対して適切な利益が得られているかを見るためにも必要な指標です。カンパニー制、事業部制を導入している会社の多くも、それぞれの営業利益が評価指標になっています。

受注予定日

物事を計画的に進めるためには、期日管理は重要です。

この案件はいつ受注する予定なのか、いつ受注すべき案件なのかを把握するためにも書きましょう。

そして、案件の状況が変わるたびに更新することも大事です。

案件確度

案件確度とは、受注の確実さの度合いのことです。

確度は、たくさんの観点を用いて判断する必要があり、案件管理のなかでも一番重要であり難しい点でしょう。

個人の感触だったり、案件ごとに基準がまちまちだったりすると、精度が低い案件管理になってしまいますので、一律の基準を設けて自分がみても、他の人がみても同じ認識がもてるようにしましょう。

確度のランク付けは、高・中・低でも良いですし、5・4・3・2・1と数字で表現しても良いでしょう。

 

案件管理の運用方法

案件確度の設定の仕方

前述のとおり案件確度の設定はむずかしいですが、一番重要なポイントでもあります。扱う商品などによって把握しておきたい項目は違いますが、案件確度をきめる代表的な項目について参考例を下記の目安表にしました。

皆さんの現状に合わせて、レベル感を微調整しながら実践で使ってみてください。

<案件確度設定の目安表>

項目

LV.

状況

予算

  • お客様の中で予算取りがされている
  • 予算枠(金額)が明確になっている
  • 提案金額が予算枠内に収まる

  • 予算取りされていることは確認できたが、具体的な金額は不明
  • 今期優先的に使える予算かは不透明
  • 他の投資案件との比較になる可能性あり

  • 予算取りされているかの確認、ヒアリングは未済
  • 予算規模は未確認

見積

  • 価格折衝が終わり、最終見積を提示している
  • お客様から金額感に違和感が無い旨を確認済み

  • 概算見積を提示している
  • 価格折衝の可能性がある
  • 見積範囲(要件)の変更によって金額変更の可能性がある
  • お客様からおおよその金額規模感が確認取れている

  • 参考価格レベルの提示をしている
  • お客様の中でも妥当な価格感が無く情報収集フェーズ
  • まだ妥当な見積を提示する状態にない

決裁時期

  • お客様の経営会議の時期が決まっており付議が確定している
  • スケジュールにデッドラインがあり決裁時期に必然性(理由)がある

  • 特にデッドラインはなく、合意形成され次第
  • 目標感はあるが、必須では無いので後ろ倒しのリスクがある

  • 特に決められた時期はない
  • 時期の必然性について突っ込んだ訴求ができていない
  • 今期中かどうかの判断がつかない

競合

  • 競合相手はいない
  • 事実上、競合排除が済んでいる
  • お客様キーパーソンは当社一社に絞っていることが確認できている

  • 競合相手がいるが、他の事例では当社優位性がある
  • お客様担当者からは当社を推したいという意見がある
  • 現行取引があり優位だ(が、ひっくり返される可能性はゼロではない)

  • 複数社による競合状態である
  • 現行は他社と取引きしており、ひっくり返さないといけない
  • 他の事例で苦手とする競合他社がいる

決裁者

  • 当社とお客様キーパーソン同士が懇意である
  • トップセールスが出来る関係性である
  • お客様キーパーソンの判断ポイントを確認できている

  • 懇意ではないが何度か会っていてお互い認識がある
  • 畏まった場で直接インプットができる関係である
  • キーパーソンとは担当者経由で情報の行き来がある

  • 担当としか会えていない
  • まだキーパーソンの意向は確認できていない

主要な項目とそれぞれの項目ごとのレベル、レベルを判断するための状況について書き出してみました。

それぞれの項目のレベルを掛け合わせて、案件の確度を置くと、より見極めの精度が高まるでしょう。

例えば、全ての項目が「高」であれば、案件の確度も「高」、一つでも「中」があれば、案件の確度も「中」、一つでも「低」があれば、案件の確度も「低」と、一律の基準を決めてしまい個人の感覚を排除してしまうのが良いでしょう。

案件管理シートの参考例

ここでは画面上に直接表を書きますが、営業支援システム等を使ってない場合は、エクセルなどにコピペして使ってみてください。

また扱う商品や、特徴的なビジネスをやっている事業などにおいては項目の表現の違いや、過不足があると思いますので、自分の状況に合わせて修正をしてください。

<案件管理シート>

No. 案件名 お客様名 金額(M) 受注予定日 確度 備考
0001 〇〇導入 ZZZ社 400.0 20/9/30 納期調整
0002 △△企画 YYY社 120.0 20/12/20
0003 □□導入支援 XXX商事 0.5 21/9/30
0004 ●●検討 WW社 3.5 20/11/15 要協議
0005 ◆◆対応 VVV興産 1,400.0 21/3/25
0006 ◇◇コンサル UUU船 10.5 20/9/30
0007 ▲▲サービス TT屋 7.0 20/10/31

案件管理の実用法

ここでは、案件管理の使い方を説明していきます。

営業支援システムやエクセルの使い方ではなくて、案件管理をどういった観点で見れば良いか、ということを代表例を用いて説明をしていきます。

値を入力するということ自体は作業ですが、その値には意味があり、正しく値の意味を認識すれば、正しい営業活動を指示してくれる強力な武器になります。

1.当月の状況把握

案件管理は、毎日なのか週何回なのか、各自、適切なタイミングを決めて定期的に見るようにしましょう。私は定期的な予定として予定表に入れて、必ずチェックする日時を決めています。

まず代表的な使い方としては、当月の状況を確認することです。

案件管理の受注予定日でソートすると、当月受注予定の案件のみが表示されます。

確度「高」の案件でさらに絞れば、今月確実に受注できる金額がわかります。

一方で、受注予定日が今月なのにまだ「中」「低」の案件がある場合、入力内容は妥当と言えるでしょうか?

受注予定日が更新されていないか、確度を読み間違えているか、先月までにやっておくべきアクションが取れずに案件が停滞してしまっているか、こんな状況が想像できます。

営業活動には、勢いや想い、希望、期待等、熱いハートは必要ですが、案件管理は冷静に事実を書くようにしましょう。

なんとしても今月中に受注したいという気持ちがあっても現実はどうでしょうか?頑張って取り組んできたから「中」のままで残してるけど実際はどうでしょうか?

このように「高」確実な案件だけでなく、

2.来月の見込み状況の確認

自分の商品によって扱う一案件あたりのスパンは変わりますので、来月を、四半期や半期と適切な期間に読み替えてください。

それを踏まえて、ここでは案件管理ので先の見込みを確認することについて説明していきます。

受注予定月を来月(もしくはしかるべき間隔)に絞ってください。

来月見込みで「高」のものは、既定路線と判断して、最低限の活動で受注できるでしょう。

「中」「低」のものはどうでしょうか。当月のアクションで間に合わなければ、来月受注するために必要なアクションを取らなければいけない案件、と位置付けることができます。

「中」「低」を「高」に上げられるように、今月の時点から仕掛けをしておきましょう。

また、同時に「中」「低」を「失注」に変えることも有意義なことです。その分、可能性のある案件のために時間を使うことが出来るからです。

結果的に売れないものに時間を費やしてしまうのは勿体ないので、「失注」と判断するための材料(情報)をそろえる活動をしましょう。その分、可能性のある案件のために時間を使うことが出来ると割り切るのが大事です。

株などの投資でも損切りが肝心と言われてますね。

3.計画見直し

上記1.2.でも触れましたが、目で見えている数字を把握することも大事ですが、その数字の意味を腹落ちさせて、今後の活動に反映させるのが案件管理の最大の目的ですね。

計画通りに進んでいれば安心して推移を見ていけば良いでしょうが、計画通りに進んでいない場合、そして年度も半ばに差し掛かっていれば十分な時間もない場合は、状況を見き分けて計画を見直し、効率的で効果的なアクションを取る必要が出てきます。

例えば、下記のような目線で案件管理を見ることが出来ると良いのではないでしょうか。

  • 案件数が多いけど「低」ばかり ⇒ 提案件数を増やそう
  • 「高」案件が多いけど「中」「低」がない ⇒ 種まき活動を増やそう
  • 年度末に高額な案件はあるがリスクがある ⇒ リスクヘッジを考えなきゃ
  • 「高」を合計すると今期は達成しそう ⇒ 来期に向けた活動の割合を増やそう

 

また、あらゆる手を尽くしても計画を下方修正せざるを得ない場合もあるでしょう。

そんな時は早めに上司や経営陣への方向をする必要がありますので、その際に論理的な説明をするためにも案件管理は使えると思います。(案件管理は基本的に上司や経営陣が経営判断を適切に行うことを目的に作られますから、当然のことながら常日頃から案件管理の推移を追っているとは思いますが!)

まとめ

日々案件管理の精度を上げることで、計画を見直す必要が出てきて、活動計画を再整備する。このサイクルを日々繰り返すことで、年間計画を達成にグッと近づくでしょう。

案件管理を単なる集計資料で終わらせるなく、生きた営業活動の武器として活用できることが年間計画達成のポイントだと考えます。

 

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