【営業の接待を極める】接待を成功に導くために営業が押さえるべき9のポイント

営業の接待を極める 営業のコツ
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接待と聞くと苦手だなぁというイメージを持つ営業が多いと思います。なかなか接待の教科書は存在しないので難しいですよね。皆さんはどうですか?

この記事はこんな人におすすめ

T営業部長
T営業部長
  • 接待って何するの?
  • 接待って何のためにするの?
  • 商談を上手く進めるための接待の仕方を知りたい

この記事では、営業の一環として接待をする機会のある人が、接待について理解するとともに、商談を上手く進めるための一助にしたり、ひいては年間とおして好業績をあげるために必要な接待を成功させるポイントについて解説していきます。

接待ってなにするの?

実際に接待って何をするのでしょうか。

Wikipediaによると
  • (本来の意味)客をもてなすこと。
  • (仏教関連語)布施の一種で、道の脇に湯や茶を用意して行き交う人にふるまうこと。
  • 茶や食事などをふるまうこと。
  • (日本の企業において)取引先などを飲食店などでもてなすこと。
接待 - Wikipedia

上記の4ポチ目「(日本の企業において)取引先などを飲食店などでもてなすこと。」とありますので、これが解説としては当てはまります。日本の企業において、というカッコ書きについて、私の経験上は、米、欧、アジア問わず海外の企業でも接待は行われていますので、必ずしも日本の企業に限った話ではないということは補足しておきます。

具体的にどういうことが行われるか、ですが。

日本では飲食店でお酒や食事をふるまったり、ゴルフへ招待したり、イベントやパーティ開催し招いたりというのが一般的です。

私の経験で、海外へ行き海外の取引先に接待いただいたケースで言えば、中国では食事をごちそうになったり、日本でいうところのキャバクラ的なお店に連れて行ってもらったり、ニューヨークへ行ったときには、ステーキ店でディナーをごちそうになったり、バスケの試合に連れて行ってもらったり、シンガポールでは名物のチリクラブのお店に連れて行ってもらったり、という感じで前述のとおり各国でおもてなしの心で接待の文化があることを経験しています。

もちろん海外から来日したお客様に対してもおもてなしをしますが、その際はお寿司をごちそうしたり、相撲に連れて行ったり、ということをしました。

  • 日本では、飲食やゴルフなどでおもてなし
  • 海外でも同じ

何のために接待ってするの?

営業をやっている以上、最終的な目的は契約をもらうためと言って良いでしょう。

しかしながら、契約をもらうというのはある一時点(一断面)を指しますが、会社にとってお客様との付き合いは永遠に続くことが望ましいので、その契約の一時点にこだわるだけではなく、中長期的にリレーションを構築、維持していくことが成功への近道で、結果、その積み重ねが(継続的な)契約につながると考えるのが良いでしょう。

「奢ってあげたんだから何か買ってよね」という交換条件的ことでは節操がないですし、お客様にしてみれば、そもそも借りを作るくらいなら自分で飲み食いするわ、ということになってしまうでしょう。その結果、短い付き合いになってしまえば、将来の損失となってしまうかも知れません。

そうならないためにも最終的な目的を契約に設定するにしても、あくまでも目の前のお客様に大事な時間をもらう以上、楽しんでもらい、今後の付き合いのために信頼感を深めていくというのが目先の目的と考えるのが良いでしょう。

大きな目線で考えたときには上記のとおりです。同時に現場の営業目線では「何のために接待をするのか=接待の効果」について理解を深めた方が良いでしょう。

相手がお客様を前提としましたが、もちろんパートナーとなる相手(や相手企業)に対する接待も同じ目的で行われることがあります。

  • 営業なので最終目標は契約することでOK
  • でもそんなに打算的じゃなくて大丈夫
  • 人と人のお付き合いがベースなので、まずは信頼関係構築を!

仲良くなれる

仲良くなることはとても大事です。利益を得ること(=損失を減らすこと)に直結するからです。

親密な関係でもなければ、メールや電話の一本も躊躇してしまうのが一般的な仕事上の付き合いです。経験上でも、一度お酒の入った席を共にしていれば、気軽にコミュニケーションできる仲になれ、困ったときはすぐに連絡をもらえたり、ビジネスネタにつながりそうであれば提案の依頼をもらえることが度々あります。

また相手の性格がわからない関係であれば、会議室のテーブル越しに相手の顔色だけが判断材料になりがちですが、相手の好みや考え方がわかっていれば、いろいろなことを踏み込んで投げかけてみたり、提案時においても恐る恐る提案するのではなく、お互いが腹を割った形で話を進めることができる状態になるでしょう。

よく人間の心理を踏まえた説明として例に挙げられることがありますが、下記図をイメージしてください。

左の絵はテーブル越しに向き合っており、ともすると対立する関係性にもとれます。一方真ん中が、1on1の面談などで推奨される位置関係です。一度飲みの席を共にした仲は一番右の図とも言えるのではないでしょうか。

一番右の図は少し極端ですが、接待等で時間を共にしたお互いの関係性としては、右の図のような心持ちになれるということです。

会議では聞けないオフレコ情報が盛りだくさん

会議では、当事者以外に参加者がいることが多いです。立場がある人であれば、発言の一つ一つの重みがありますが、その反面、軽率な発言は控えることがあるでしょう。更にその場の人数が多ければ多いほど、本音が飛び交わないことが多々あります。

商談の場となればそれは顕著で、営業側からすればお客様へ何かを投げかけることは只でさえドキドキするもので、かなり手前のところで線を引いてしまう(腰が引けてしまう)ことは営業であればうなずけるのではないでしょうか。

しかし接待を経ることで、相手との信頼関係が築けた暁には、そのお客様はとても有力な情報源となってくれるでしょう。(大事なのは信頼関係!)

もちろんお酒が入ったその場で色々と教えてくれることもあるでしょう。またオフィシャルな会議でも一般的なお客様と取引先のハードルは大きく下がり、通常では踏み込めない話題についても聞けることでしょう。

もちろん親密になったので契約を前向きに検討してくださいね!という気持ちもあるでしょうが、私の経験上は、あの人とあの人は昔から仲が良いんだよとか、ゴルフが好きで毎週行ってるよとか、食べ物は何が好きだよとか、コレコレこういう性格だよとか、そういったどこにも書いてない情報を得られることが最も有意義だと感じています。

競合他社との差別化

上記二つの項目と並列に並べることではないかも知れませんが、総じて接待をするという行為は、接待をしていない他社との差別化ができることは明白です。

両者とも接待をしている場合は横並びかも知れませんが、もう一方の会社をどう見ているか(評価しているか)についても聞く機会につながるかも知れません。また遠回しに自社の評価(相対評価)を確認できるかも知れません。

また、もし競合他社が接待をしているのであれば、それを上回るおもてなし(親密度を高める)接待をすれば大きな勝ち目を見いだせるでしょう。

どう接待するのが正解なのか、この後解説していきます。

接待の極意

接待は招いたお客様に楽しんでもらうことが大事だとお伝えしてきました。

では最大限楽しんでもらうためには、どのように接待をすれば良いのか、また、営業がどのような配慮を持って接待に臨むべきか、について具体的に説明していきます。

好き嫌い、座席種

飲食にお招きする場合は、相手の食の好みや、好き嫌いを聞いておきましょう。

経営層の方が相手の場合には、気軽に確認することができませんが、秘書の方や部下の方に確認しておきましょう。好き嫌いだけではなく、アレルギーがある場合もありますので、大事なヒアリング項目です。

お酒についても、ワインが良いのか日本酒が良いのか。エグゼクティブクラスの方々は、趣味としてお酒に拘る方も多いので事前にリサーチしましょう。ワインや日本酒にまつわる知識が豊富なお客様であれば、お酒の話題で盛り上がれますね。

また膝や腰が悪いお客様であれば、座敷のお店は避けた方が良いでしょう。椅子か掘りごたつか、身体に負担のない席種を事前に確認しておくことも準備として大事なことです。

お店の予約

その次はお店選びが大事です。

前項によって、ある程度お店が絞られると思いますが、大事なのはお招きするお客様の層や関係性を念頭において、失礼のないお店選びをするということです。

エグゼクティブ層のお客様を招く接待であれば、そのお店も接待利用に慣れたお店を選ぶべきでしょう。お酒や食事をサーブしてくれる方が、慣れない初心者のアルバイトの方だったりすると、正直気持ちが落ち着きません。

また接待の状況を心得たお店の場合は、接待する側と接待される側(お客様)の構図をしっかりした応対をしてくれます。私にとって大切なお客様をお店側も丁重に扱ってくれるということです。

時間に余裕があればという前置きをするものの、極力お店の下見をしましょう。ランチをやっていれば、お昼の時間に予定しているお店を訪れてお店の雰囲気を確認しておきましょう。

私は都心部で接待をすることが多いのですが、接待用に利用できそうなお店探しの名目で一人で居酒屋巡りをするようにしています。(現在はコロナのため自粛中!)

そうやって得られた情報を都内の地域ごとに分けてリストアップして、ハズレを無くすようにしています。

また、行きつけのお店を作ってしまえば、お客様を連れて行った時も安定感があり、良い接待にすることができるでしょう。

お客様とはいえ気の知れた仲であれば、どういったお店が良いでしょうか?

その場合はあまりかしこまった雰囲気ではなく、気軽に会話ができる雰囲気のお店に行くのが良いでしょう。お客様に行きつけのお店があれば連れて行ってもらうのも良いかも知れません。

車で来る?

経営者層の方であれば、接待で指定したお店までは車(社用車)で来ることが多いでしょう。前項のお店選びとも通じてきますが、車で来る場合は車寄せがあるのか、駐車場があるのか。お店に駐車場が無くても近隣にパーキングがあるのか。そのあたりの事前確認が必要です。

わかりづらい場所にお店がある場合、ドライバーさんが中々たどり着けないこともあります。その場合に備えて、ドライバーさんには自分の携帯電話の番号が伝わるように秘書の方や部下の方に連携しておくと良いでしょう。

お出迎え

当日になったら約束の時間よりも早めにお店に到着し、事前に確認した好みやアレルギー情報に見合った料理の内容になっているか、お店側と確認し合いましょう。

また席についてもオファーした通りになっているか、着席位置もあらかじめ確認しましょう。上座がどこかを確認することになります。

そして到着より少し前になったら、お店のエントランスあたりで待っているのが良いでしょう。他のお客様のご迷惑にならないようにです。

到着されたら、ササッとお越しいただいたお礼を述べ、席まで案内します。お店の方が案内してくれる場合もありますが、任せずに自分が案内した方が良い場合もあります。空気を読みましょう。段差がある場合は躓かないように一声かけられると気が利いて良いですね。

歓談中は?

歓談中は、自分がメインのホスト役であれば、話題を振りながら傾聴することを心がけましょう。上司がメインのホスト役であれば、相槌を打ったり、話の流れによっては応答したり質問をしたりして場を盛り上げることに徹しましょう。

いずれにしろ、ここでも大事なのは事前準備です。

商談ではないので、事前準備する内容はお客様の興味のある話題。趣味の話で盛り上がるのが良いでしょう。

ネタの準備に関する記事はこちらからどうぞ

アイスブレイクを4つに分類して沈黙を打ち破れ!営業部長の雑談テクニック公開
お客様先でまずどう雰囲気づくりをすればよいのか、これは営業にとって大きなテーマです。アイスブレイクについて理解して、適切に使いこなせるようになりましょう。

支払いは?

接待の場合は、こちら側の負担で良いでしょう。

ただ、昨今はコンプライアンス上、厳しくなっている会社も多いので、お客様にご迷惑を掛けないためにも予めこちら費用負担で一席設けさせてもらいたい旨を明確に伝え、了解をもらっておくことが大事です。前述のとおり、秘書の方や担当の方に伝えて話を通してもらっておくのでも構いません。

また、今回はこちらが一席設け、次回は相手がお返しとして用意してくれるというパターンもあるので、お互いの関係性を踏まえてその会の建付けを決めていくことが大事です。

なんにせよ、当日歓談が終わってから支払いでバタバタしてしまうのはスマートとは言えませんので、あらかじめ確認することは済ませておき、お店側にもスムーズに支払えるよう段取りをしておきます。

会社で経費精算する場合には、領収書や明細が必要となりますので、会社の規定に則って必要なものはお店からもらうようにしましょう。

最近は手書きの領収書は不可とする企業も増えてきていますが、お店によっては、こちらの要求するものが発行できないパターンがありますので、お店選びの際に事前に確認しておくのが良いでしょう。

タクシーチケット

お客様との歓談が終わり、無事にお見送りする時間になりました。

車でいらしたお客様は車で帰られることが多いですが、遅い時間までドライバーさんを待たせずに、帰りだけタクシーや電車で帰られるという場合もあります。

その場合に備えて、タクシーチケットを用意するのが良いでしょう。

会社で用意がある場合は、それをお客様にお渡しし最寄り駅か自宅までタクシーで帰ってもらうのが良いです。

タクシーチケットの受け取りを遠慮されるお客様であれば、最寄りの駅や電車の乗り継ぎの良い駅など、お客様の都合の良い場所まで、タクシーに一緒に乗って連れて行くのも良いでしょう。

いずれも教科書的ではなく、お客様が心地よく帰ることができるよう配慮しましょう。

飲食ではなくゴルフの場合ですが、私はお客様と行く場合はお客様の家、もしくは家の近くまで迎えに行きます。もちろん自分で運転してゴルフ場までくるお客様もいます。

車で長い時間一緒にいることは、とても緊張して大変ではありますが、その反面非常に仲良くなれますし、いつも以上にプライベートな話しで盛り上がるので非常に有意義です。

飲んだ後にタクシーで送るその時間も同様に有意義なものになるでしょう。

お土産

お土産もコンプライアンスを意識する必要はありますが、あまり負担にならない程度に菓子折りを用意しておくのが良いでしょう。

お客様に奥様が居れば、その奥様宛てのお土産にもなりますし、奥様が喜んでくれれば、お土産を用意した営業の株も上がるでしょう。家庭の会話を侮ってはいけません(笑)

高額でなくても少し気の利いたお菓子だったりすると大変喜んでもらえると思います。

お礼の連絡

無事に接待が終わりました。

上司や部下が一緒であれば、反省会と称して軽く飲みなおすのも良いでしょう。

その際に大事なのは、誰がどのように御礼の連絡をするか、最終確認しておくことです。あらかじめ決めておくのも良いですが、その日その場で適任者が変わる場合もありますので、それを踏まえて最終確認しましょう。

翌朝一番に、メールや電話で御礼のご連絡をするのが良いでしょう。

まず第一にはお時間をいただいたことは楽しい時間を共有させてもらえたことへの感謝の意を伝えます。もし歓談の場で、次はゴルフに行きましょうとか、次は私(お客様)のお店に行きましょう、という話題が出ていたのであれば、それに呼応して、次もお願いしますね、の趣旨のことは軽く触れておいても良いでしょう。

御礼の電話であればその場で想いが伝えられますし、メールであっても大抵のお客様は丁寧に返信をくれます。

ここまで済ませて、晴れて接待の完了です。

まとめ

一般的な接待の流れを想定して、ポイントとなる項目ごとに説明してきました。

冒頭に記載したとおり、おもてなしの心を持って相手に楽しんでもらうというのが何より大事です。

またその実現のためには事前の準備が肝要です。

そして何より大事なのは、嫌な仕事とは思わず、「自分自身が楽しむこと」です。

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