営業に向いてる人、向いてない人【現役営業部長が解説】

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営業をやりたいんだけど自分は向いてるのかな?営業に転職して給料増やしたいけど自分に出来るかな?と不安に思っている方は多いことでしょう。

企業としてしても営業職の重要性は高まっていますし、転職市場で営業職の募集は尽きない状況ですから、多くの人が営業に対して興味を持つことは必然です。

この記事はこんな人におすすめ

T営業部長
  • 営業職に興味があるけど自分に務まるのかわからない
  • 今営業をしているけど、この先も続けて良いのか不安を感じてる 
  • 営業として転職を考えているけど、この判断正しいのかな?

この記事は、私が長年営業をしてきた中で出会った「こ、この人スゴイ!」と思った営業を、タイプ・性格別に分けて、どんな人が営業に向いているのか、または向いていないのか、を説明していきたいと思います。

結論から言ってしまうと、営業はどんなタイプ・性格・経験・境遇の人でも活躍できます。

私が新人で配属された先の上司も同じことを言っていました。

「あいつが何でこんなに売れるの??」

というような人を何人も見てきたと。この話は印象的でした。

不安に思いながら営業をしている人、営業を志す人の自信に繋がればという思いで書いていきます。

※営業に必要な「能力」はこちらで触れていますのでご参考に!

営業に向いてる人

前述のとおり、これまでの私の営業人生の中で影響を受けた営業を例に、タイプを挙げていきます。

話が好きで上手な人

営業は社内外で多くの人と会話する機会があります。話しをすることが億劫な人よりも、誰とでも会話できるようなオープンマインドなタイプの人は営業に向いているでしょう。

このタイプ、一番わかりやすいですよね。

その人と話してると楽しい、と感じる相手っていると思います。

私の新人の頃の先輩営業に、呼吸する代わりに会話をしてるかのようにいつも誰かと雑談をしながらコミュニケーションを取っている人がいました。

車で一緒に移動している時も、厳しくもありながらいつもユーモアを交えて仕事を教えてくれました。

大勢の前で話すことも得意で、お笑いのライブを見ているかのように毎回その人の話を聞くのが楽しみだったのを覚えています。

もちろん営業成績も良くてお客様の間でも有名になってしまうようなキャラクターでした。

話を聞くのが好きな人

一方で、営業で実績を残している中には大人しくて寡黙な人も沢山います。今も私の身近にいます。

私が新人の頃に同行させてもらった先輩で、その方は優しい先輩でしたが一緒に移動してる時もほとんど自分からは話さず、私の質問に対して穏やかににこやかに一言二言答えるくらいでした。

その先輩はお客様先に訪問して席についても、自分からはほとんど会話せずニコニコしながら相づちを打つだけ。

ほぼお客様が一方的に話をして終わるころに、気付くと契約が決まってしまったというのを目の前で目撃しました。

要は聞くのが好きで上手だったのだと理解しています。

営業にとって一番大事なスキルの一つ「傾聴」を自然体で実践している先輩でした。

営業は話すよりも聞くことが基本ですから、聞くことに長けていれば必ずしも自分から話すことが好きでないといけない、ということではありません。

社交的な人

飲みに誘われればいつも断らないし、業後には誰かと何かしらの予定が入っていたり、週末も仲間とどこかへ出かけたり、いつも誰かと接している社交的なタイプの人は、やはり営業に向いてるなぁと思うことが多いです。

私の先輩にとても社交的でスマートでカッコイイなと思える人がいます。

もちろんいつも売れてる印象ですが、その先輩も誰かと飲みに行くのが大好きで、私もたまに連れて行ってもらうことがあります。

行きつけのお店がいくつもあって行く先々でお店の人や常連のお客さん達と打ち解けて会話を盛り上げたり、知らない人がいるスナックでも躊躇なくカラオケで歌い出します。

誰とでも分け隔てなく付き合うし、頻繁にお客様とも週末一緒にゴルフに出かけているのをみると素晴らしいなと思います。

周りの人に愛されているのかなと思います。

こんないやらしさの無い社交性を持った人は営業に向いているといえるでしょう。

引っ込み思案な人

これまで出てきたタイプとは一変します。

引っ込み思案で恥ずかしがり屋で遠慮がちだなぁという人も営業に意外と多いです。

少し考えただけでも数人思い浮かびます。

ガツガツしてるほうが営業向きっぽい、というのは誰もが思い浮かべそうですね。

ですが、奥ゆかしい性格で売れている営業の様子を良く観察してみると、脊髄反射的にまず動くというよりも、緻密に計画をしたり、物事を深く分析したり、論理的に発言したり、一つ一つが丁寧だったりという感じで冷静さが結果に表れているように感じます。

私が新入社員研修をしていたころ同じグループだった同期の仲間がいました。

彼は高校では吹奏楽部で大学は自由な時間を全て居酒屋のバイトに費やしたという人でした。

まだ22歳なのにロレックスのサブマリーナ(サブマリーナなのでギラギラしてないやつです)を付けていてとても印象的でした。バイトでコツコツ貯めて買ったそうです。

性格はすごく大人しくて、研修中もほとんど自己主張しないし目立たないタイプでした。

でもいつもニコニコしていたのは印象に残っています。

その彼とは現場配属になって離れ離れになったんですが、彼は現場に出たとたん成果を上げ、同期の中でずっと一番をキープ。

周囲から認められて大きな仕事をどんどん任されるようになりました。

私がその時居た会社では、全社員の順位が掲示されましたので、その彼の業績を見たときはとても驚いたことを覚えています。

当時は「あいつが何で??」と衝撃的でしたね。

周囲の話を聞くと、日々の活動を愚直に続けていることが全て、とのことでした。

引っ込み思案で大人しくても内に秘めた熱いものや忍耐強さがあったのかも知れません。

体育会系の人

例えば学生時代に一生懸命にスポーツに打ち込んでいた人で、厳しい練習を乗り越えてきたような人は、仕事ぶりを見ていても粘り強さを感じますし、多少のことでへこたれない精神力を感じます。

また、爽やかなスポーツマンはお客様のウケも良いですし、お客様の中にも若いころスポーツを頑張ってたという人が結構いて話が弾むことが多いです。

もう一つは規律の部分でしょうか。

上司の立場からすると、決められたことはやり遂げるとか、若手でも報・連・相をしっかりしてきて信頼できる人が多いです。

私が入社して数年後、初めての後輩になった彼は学生時代は陸上部で全国大会にも出場したことがあるような体育会系男子でした。

返事も素晴らしいしハキハキしていて、やはり他の先輩たちからも好かれて可愛がられる存在でした。

でも器用ではなくて少し堅い部分もありましたね。

その彼は新人レースでの入賞に向けて、配属してすぐに必死に頑張って見事に入賞を果たしていました。

一方で、売れれば何してもOKだと勘違いしがちなオラオラした体育会系の人も多く、そういう人を見ていると勿体ないなぁと思ってしまいます。

営業=体育会系は当てはまると思います。

(一方で営業 ≠ 体育会系であることも確かです)

研究熱心な人

私が30歳くらいのころ、ある新人営業の世話係(OJTリーダー)を任されました。

その新人営業は、ものすごーく大人しくて、当時の営業部長陣の間では「あいつは営業に向いてない、線が細い、売れるようになりそうもない」なんて言われていたような人でした。

確かに私の印象でもコアラのようにのんびりしていて欲がないように感じました。

また、話していてもどこか天邪鬼あまのじゃくで、素直になれば良いのにと思うことはありました。

ただ、2人で一緒に行動することも沢山あり将来の話も良くしていた中で、本心では仕事の出来る人間になりたいと信念を思っていることを感じさせる一面もありました。

結論を言うと、今当社でも若手・中堅のエースになっていて、入社当時とは見違えるほど立派な営業になっています。

あるとき、彼の天邪鬼=「こだわり」だと感じたので、ある時から専門領域を担当させることにしたのが、振り返ると良いきっかけになったのかも知れません。

その分野の第一人者になろうと必死に研究したのでしょう。

今は社内の誰もがその専門分野のことについて知りたい時は彼を頼りにしますし、お客様からの信頼も集めています。

営業に向いてない人

ここも経験上感じたことをベースに3つ書き出したいと思います。

すぐに諦めちゃう人

営業に限らずどの職種でもそうでしょう。

任されている以上は、例え能力が低くとも、諦めずやり遂げようという気持ちは最低限必要です。

営業という仕事においては、特に忍耐強さであったり、目標を達成するために諦めずに繰り返し行動できる性格が大事です。

一つの案件を受注するためには、いくつものプロセスを経ないといけませんし、お客様や競合他社がいる中で進めるのが商談ですから、必ずしも自分の思い通りにいかない中でも諦めない粘り強さは必要です。

また一個一個の商談だけに限らず、営業という職を自分のものにするにもあきらめない気持ちが大事です。

私の知っている中でも、中途入社をし数日で仕事を投げ出してしまい転職をし、また転職を繰り返すといった人がいますが、当然今でもキャリアアップできていないというのが実態です。

私自身も転職をしていますが、そのあとを追うようにして転職を希望する後輩が続出したことがありました。もちろん本人の意思が大事ですが、中途半場なまま辞めるのではなく最低3年間はやり切れ、と伝えています。

3年間に明確な根拠はありませんが、妥当なアドバイスだったと思います。

実際に10数名の相談に乗りましたが、ほとんどの後輩たちは言われたとおりに一定期間頑張ってから転職活動をし、ほとんどの後輩が良い企業へ転職し、転職先でキャリアアップを遂げています。

前述のとおり、営業という仕事も身に着けるためには時間を要しますが、どういった人であっても自分のキャラクターを生かした営業として成功する道がありますから、地道に自分の営業動を極めていくのが良いです。

他人のせいにする人

売れない営業はお客様のせいにしています。

良くない状態を把握したりコントロールするのが営業の仕事ですが、自分の想定通りに進まないと他社やお客様のせいにして結局は案件が全く進捗しません。

この良くない状態を作っているのは自分じゃなくて、周りが原因だからどうすることもできない、という感じで思考停止してしまっている人ですね。

商談であれば、負の情報も早期にキャッチして対策を講じたり、自分の描いたシナリオどおりに進めるために入念な根回しをしたり、という感じで、想定外を極限まで無くしていくのが営業の大事な仕事です。

商談を進める中で、仮に想定外の事象が発生してしまい、自分にとって良くない方向に進んでしまう場合でも、それは他者のせいではなくて、想定できていなかった自分の責任だ、と言えるくらいの責任感があるのが良いでしょう。

責任感がある営業であれば、その良くない状態をすぐに挽回するための策を検討し、実行し、巻き返しを図ることができるわけです。

もちろんいきなりそのレベルに達するのは難しいかもしれませんが、経験を積んでいけばできないことではありません。

人の話を聞かない人

プライドが高い人、素直じゃない人、興味がない人、こんな人たちが当てはまるでしょうか。

無垢の状態で人が成長するには、何かしらのインプットが必要です。

営業向けの気の利いた教科書は存在しませんので、身近な優秀な上司や先輩営業に聞く、もしくは真似をするというのが一番です。

人の話を聞かない人は、その点で自分の成長にとって大きなマイナスになってしまいます。

営業に向いてない人、と表現をしましたがどの職種にも当てはまることですよね。仕事をして成果を上げて対価を得るためのポイントは共通すると考えられるでしょう。

またお客様の話をよく聞く「傾聴」は、商談を前進させるためにも重要な要素です。

人の話を聞くことこそ、営業にとって唯一といって良いほど成功のカギだと思いますので、人の話にちゃんと耳を傾けられるのが何よりも大事です。

なかなかできない人は、人と話す前に「今日は聞き役に徹するぞ!」と心の中で自分に投げかける癖をつけるのが良いと思います。

まとめ

人のタイプ・性格なんて無数にありますよね。

そして営業はどんなタイプ・性格の人でも出来るとなれば、すべてのパターンを書き尽くすことなんてできませんが、この記事で伝えたいことは、決してステレオタイプに「営業はこういう人じゃないとダメ」なんて型にはめる必要は全くないということです。

それはタイプや性格だけでなく、経験の有無も同じことが言えると思います。

つまりどんな人でも営業をやろうと思ったその時から営業になれるという意味です。

また本質的な性格は変わらないかも知れませんが、能力と同じようにに後天的にタイプや性格が変わり、新たに備わる、引き出しが増える、ということはあると言われています。一言でいえば成長ですね。

自分がこうなりたいと思えば、自分の新たな一面に出会うことだってできるはずです。

是非、営業に興味がある人、営業をする機会がある人は良いチャンスだと思いますので、チャレンジしてみてください。