どの職種もやってみないとわからないというところはありますが、営業は一般的に大変なイメージがついてまわりますよね。
興味がある、やってみたい。でもどんな良いところがあるの?悪いところがあるの?と不安に感じてる人も居ることでしょう。
この記事はこんな人におすすめ
- 営業って実際のところどうなの?本音を聞きたい
- 営業のメリット、デメリットを経験者から聞きたい
- 就職活動中で営業について調べてる人
この記事では、現役営業部長が自分自身で経験したことや、これまで付き合いのあった営業仲間(上司・部下・他社)からの経験談を踏まえて、営業の良いところ・悪いところを紹介していきたいと思います。
【結論】営業には良いところがたくさん
最初に結論を申し上げますと、営業という仕事には良いところがたくさんあります。
自分にとって何が幸せか、それはそれぞれの価値感がありますが、少なくとも就職活動や転職活動をしている人にとっては、ある一定期間(3年なのか、10年なのか、定年までなのか、それ以上)は会社という組織に属して、そこで満足を得て幸せになりたいと考えている人が多いと思います。
与えられた仕事を全うし評価を得たり、仕事の中でスキルアップを図り成長したり、大事なプロジェクトに抜擢されたり、重要なミッションを任されたり、コツコツ積み上げていることが認められたり、出世したり昇給昇格したり、会社員にはいろいろな機会があります。(島耕作も、出世したときにサラリーマンのダイナミズムを実感してましね。笑)
学生時代は、現実味や生活感のある幸せ像はイメージしづらいかも知れませんが、ある程度の年齢だったり経験を積んだ層の転職希望者の人は、手に入れたい幸せが具体的になっていて、今よりも待遇面や環境面を向上させて幸せを実現させてたいと思っているかも知れません。
リアルな話で、家族や子どもが出来れば生活のためのお金はかかるので、このままではダメだとアクセルを踏み始める人は人は多いです!
その前提で考えたときに、営業という仕事を選択するのってどうなのか。
私は、自分が頑張った分だけ幸せが積みあがっていきやすい職種だと思っています。もちろん会社によって違いはあるので自分にとって正しい選択は必要ですが。
また営業という職種は、営業を一生極めていくこともできれば、管理職として経験を積んでマネジメントに関わることも出来ます。また転職でキャリアアップしたり、得意領域で独立することも出来ます。
つまり将来そういうことを実現するための、知識や経験を得られる職種だということなんです。潰しの利く職業だ、と言われる理由かも知れません。
それでは、具体的に良いところ、悪いところがあるのかを説明していきましょう。
※営業が良くて、他の職種が悪いという比較をするつもりはありません!
営業の良いところ
仕事の自由度が高い
営業の仕事がある程度自分でこなせるようになってくると自由度が高くなってきます。
行動の自由、発想の自由、時間の自由、精神的な自由等々、自分の裁量で判断することが出来るようになってきます。
営業という仕事には1~10までの手順が示されたマニュアルは存在しないので、一つ一つの案件は営業が旗を振って前に進めないといけません。決められたとおりにやるのがゴールではなく、唯一売ることがゴールなので行動も発想も自由度高く、自分の信じたやり方でやれることにはやりがいを感じることが出来ます。
また営業は、1時間当たりの労働に対して時給をもらっているわけでは無いですよね。ですから売るために勉強が必要であれば仕事中でも勉強すれば良いでしょうし、戦士に休息が必要であればスタバで休めば良いでしょう。ドトール派の人はドトールでも良いです。
ただ、人間は易きに流れやすい生き物ですから、売れていれば何をしてても良いだろうなどと慢心は決してしないこと。節度を持ち、自由時間は自己投資の時間と意識するくらいの感じをおススメしますよ!(サボりすぎていつの間にか居なくなっちゃった人も沢山見てきました!)
実際のところは、売れている人ほど自由時間が取れないほど忙しいなんてことも良くあることです。これについても、時間を拘束されて忙しいのとは違って、売るために自由に能動的に行動した(仕掛けた)結果、忙しい状態であることが多いです。この状態は、時間を拘束されるのと比較しても精神的な自由度は高いですよね。
人脈が広がる
営業は常に誰かとつながりを持ち、情報の行き来をさせることで価値の提供が出来ます。そしてお客様はより高い価値を提供してくれる営業との付き合いを望みます。
価値を高めてくれるもののひとつとしては人脈の広さが挙げられると思います。人付き合いが得意じゃないよという人も今はSNSで人同士は繋がることができ、リアルと遜色ない環境が作れますよね。
こうして作りだされた人脈、これは営業をしている間は非常に強い武器になります。
また、営業の将来のキャリアを考えたときにも一度作った人脈というのは非常に価値があります。
外資系企業をジョブホッピングしている営業の知り合いがいますが、この人は転職すれば必ず連絡をくれ、その都度一緒にビジネスを作っています。外資系企業が転職者に期待するポテンシャルの中に、その人が持つ人脈というのが必ずありますから実際の価値に繋げられるとも言えます。
このように自分の今と将来の可能性に大きく影響ある人脈を、営業は日常の活動の中で構築していくわけですからメリットが大きいですよね。
やったことの成果がわかりやすい
会社の評価制度や給与体系によって違いはある思いますが、営業は目標が明確で、どれくらい成果を上げられたのかがわかりやすいというのが特徴です。
日本の企業に定着している年功序列であったり、上司の気分次第で決まってしまうような評価とは反対に、営業に対する評価は実績と連動していることが多いです。
営業であっても、評価が業績とリニアに連動していない場合もあるでしょう。そんな場合は、単年での給与だけを見ることなく、数年後を踏まえたキャリアパスを見るようにしましょう。生涯所得というと大げさですが、長い目で見て今の自分の成果がどう自分のキャリアに影響してくるのかを見極めることも大事です。
私の仕事の取引先にかなりコンサバな会社があります。そこには1人かなり優秀な営業がいて、以前どれだけやっても給料が増えないんですよと嘆いていたことがありました。その会社自体が堅実に経営を行っており、営業も年功序列に近い評価で、ギラギラした営業なんて在籍していないような会社でした。そんな中でも優秀な彼の成果は顕著で、3年続けて昇給・昇格を果たすという前例のない人事オペレーションがされたというのを見ました。今では、これまで先輩だった社員を部下に持つ管理職として頑張っています。後日談として、彼は会社に愛着はあるが昇給昇格に時間が掛かるのであれば、転職も考えたいと訴えた、と聞きました。ある一定の成果が上げられれば、昇格させるというのは社長も含めてあらかじめ決められていたそうで、彼はちゃんとやり遂げたというわけです。
これこそ成果がわかりやすいケースそのものですよね。
自社への影響が大きい
営業はお客様の声をダイレクトに聞く機会にあふれています。嬉しいことも辛いことも含めてです。
経営陣はどうすれば売れるか(業績が上がるか)をいつも考えていますから、その答えを持つお客様の声ほど大事なものはないと考えています。マーケティングにかなりのお金を投じているのもそういった背景からです。
つまりお客様に一番近い立ち位置にいる営業の意見ほど尊重すべきものはない、影響力の大きい存在というわけですね。
お客様が「右」と言えば、例え「左」を向いてる会社であっても「右」に向かせるのが営業です。それほど重要な経営判断の局面で、お客様寄りの立場で一番の発言権を持つのは営業です。
例えば困っているお客様がいて助けてほしいと言われている、でも会社としは良い反応をしない、なんて場面を思い浮かべてください。そんな状況でも営業が影響力を持って会社を動かしてお客様の困りごとを解消して笑顔に変えたらどうでしょう。社会貢献ともいえることですよね。
これは大きなやりがいを感じられるのではないでしょうか。
将来へのステップとして学ぶ機会が多い
営業の仕事は、経営者が行う企業経営の一部です。営業は営業として一生をかけて頑張ることももちろん出来ますが、世の中には営業出身の経営者がたくさん存在することを考えると、営業が将来経営者を目指しても不思議はありません。
また、営業のスキルが身につき売れるようになると、転職して売るものが変わっても同じように売ることが出来ます。ある程度のキャリアを積んだ営業は、将来、営業としてのキャリアアップ転職をすることも珍しくはありません。営業は誰もがやりたいと思う職種ではないので、優秀な営業ほど引く手あまたという状況がいつの時代も続いています。(私が優秀というわけではありませんが、私のところでさえ週に1回は電話があります)
ある程度営業として実績を作り人脈を作ることができたら、それまでの蓄積を糧に独立する人も沢山います。前述のとおり会社の経営って何かを売って利益を上げることに行きつきますから、営業出身者は独立に対するハードルが低いでしょう。
給料は自分次第
これから就職、転職をする人は、最低限どういった評価制度、給与体系なのかは確認しておきましょう。
学生の皆さんは、自分の営業としての実力なんてわからないでしょうから、不安であれば最低限の給与が保証され、そのうえで成果給が上乗せされるような給与制度の会社もあります。
いずれにしても自分の頑張りが給料に反映されやすいのが営業の特徴です。
成果主義の外資系企業については、想定年俸(100%達成時の年俸)の倍以上を稼ぐことも不可能では無いですよ。
営業の悪いところ
答えがない
営業のやり方には答えがありません。上司や先輩、優秀な営業の経験は一つの参考にはなりますが、答えが正しいかどうかは終わるまで誰にもわかりません。上司や先輩、優秀な営業の経験によって傾向は導き出されますので参考になることは間違いないですけどね!
また、資格や試験がないので、合格や不合格もありません。資格がないと営業が出来ないということもありません。技術職だと1級○○士みたいな資格はあるので目標設定しやすいんですが、営業はこの資格を取ったから営業のスキルが上達していると証明する、とは言えない職種ですよね。
これは誰でも出来るという良さはあるかも知れませんが、分かりやすいキャリアアップの目安がないことはゴールの見えないマラソンのようでもどかしいと感じることがあるかも知れません。
そんな時こそ明確な目標を立てることをおススメしますよ。
現場で覚えるしかない
営業には資格がないので、覚えるための参考書はありません。つまりここからここまで暗記すればクリアという世界ではありません。
そのためには現場に出て学ぶことが仕事を覚える基本になります。似たような案件はあっても、同じ案件は無いので、覚えるというよりも考えて正しいであろう判断をするということかも知れません。
時には上司や先輩、優秀な営業のアドバイスがためになると思いますが、自分の血肉にするためには現場で肌身で感じて自分なりの答えを出すしかありません。
そんな営業の皆さんのために立ち上げたのが、このサイトの目的でもあるので是非参考にしてください。
時にはつらい時がある
営業のコツのページから正しいやり方を実践して売れるようになっても、売れない時期が全くないということはないかも知れません。
このコロナの時期(2020/10時点)には、たくさんの営業が苦労していることでしょう。
景気や環境変化に左右されない業界の営業をやっていても売れないことはあるでしょう。
私も沢山経験がありますが、売れない時が続くと精神的につらくて逃げ出したくなるものです。皆さんもそうですよね??
結局「営業の悪いところ」で最も当てはまるのが、売れないと辛い、ということかも知れませんね。
これは嘘をついても仕方ないこと!
私の場合、そんな状況から抜け出すために思い出す言葉とシーンがあります。「嫌になったら辞めちゃいなよ、仕事なんかいくらでもあるんだから」亡くなった父に言われた言葉です。新人として営業を始めたばかりで辛い時に言われて、スーッと気分が楽になったことを覚えています。
きっと誰もが辛い経験をするでしょう。自分なりの気を落ち着かせる術を身に付けることをおススメしますよ。
そして立ち直ったら、原点に返ってやるべきことを継続する。それが出口への近道だと信じています。
※皆さんも、究極に辛かったら辞めてしまえばよいのです。死ぬことより辛いことはありません。
まとめ
個人的な感想も沢山書いてしまいましたが、20数年の営業経験から極力リアルに生々しく伝わるようにと、思ったことをそのまま書きました。
冒頭の結論に書いたとおり、これから仕事を始める人にとって営業は非常に将来性があり魅力的な職種だと思っています。
もっと詳しく知りたいという方はツイッターのDMからメッセージを頂ければ、可能な範囲でお答えもしていきたいと思います。