「テレアポなんて今どき古い」ってよく言われるんですけどね、実際うちのチームでも新規開拓の起点はまだまだ電話が多いです。メールもフォーム営業も否定しませんけど、声で一瞬にして相手の温度感を掴める手段って、意外と代わりがないんですよ。
ただ正直に言うと、若手が一番心折れやすいのもこのテレアポです。10件かけて9件断られる、それが普通の世界。だからこそ「なぜ取れないか」より先に「取れなくて当たり前」という前提に立つことが大事だと、20年やってきて思います。今日はその前提の上で、実際に差がつくポイントを現場目線で整理してみます。

この記事はこんな人におすすめ
- テレアポの成功率の低さに落ち込んでいる若手営業
- 部下にテレアポ指導をしなければいけない管理職
- 個人宅向け・法人向けで架電の仕方を見直したい人
- テレアポ以外の新規開拓手段も検討し始めている人
架電前の3点準備、ここをサボると全部崩れる
電話をかける前の準備って、意外と軽視されがちです。忙しいと「とりあえず数こなせ」ってなりがちなんですが、準備不足のまま架電すると、トーク力でカバーできる以上のボロが出ます。
私が部下に必ずチェックさせるのは次の3つです。
- 架電する時間帯(相手の業種や生活スタイルに合っているか)
- 相手先の簡単な事前調査(会社規模・業界・直近のニュースなど)
- トークスクリプトの用意(丸暗記ではなく話の骨組みとして)
スクリプトは「台本」じゃなく「地図」
スクリプトを一字一句読む人がいますが、あれは逆効果です。相手は棒読みにすぐ気づきます。スクリプトは迷ったときに戻る地図くらいの感覚で持っておいて、会話は生で反応するのが基本だと思ってます。
個人宅と法人、かける時間は全然違う
新人のころ、個人宅も法人も同じ時間帯に電話して全然つながらなくて、上司に怒られた記憶があります。考えてみれば当たり前なんですが、相手の生活リズムに合わせないと話すら聞いてもらえません。
一般的には、個人宅は家事や用事の合間になる日中の時間帯がつながりやすく、法人は始業直後や昼休み前後を避けた時間帯が応答されやすいという調査結果もあります。うちのチームでもこの傾向は実感として近く、法人向けなら10時台や15時前後に架電を集中させるようにしています。
もちろん業種によって例外はあるので、これを鵜呑みにせず「自社の商材だとどうか」を小さく検証していくのが現実的だと思います。
冒頭数秒とセールス感の消し方
電話を受けた相手が「営業か」と判断するのは、驚くほど早いです。だからこそ最初の数秒でどう印象を変えるかが勝負になります。私がよく部下に言うのは、「売り込みの電話」ではなく「情報提供の電話」に聞こえる言葉選びをしろ、ということです。
例えば「ご提案があり」ではなく「〇〇でお困りの企業様にお伝えしていることがありまして」くらいのトーンに変えるだけで、相手の身構え方がかなり違います。断る理由を先回りして潰す、というのも同じ発想です。「今は必要ないので」と言われる前に、「資料だけでも」「お時間1分だけ」と、断りにくい小さな依頼に変換しておく。これはテクニックというより、相手の心理的ハードルを下げる礼儀みたいなものだと思ってます。
やるべきこと
- 冒頭でメリットを一言で伝える
- 声のトーンは出だしは明るく、本題は落ち着いて
- 断りにくい小さな依頼に変換する
- 日程提案は二択で具体的に出す
避けるべきこと
- スクリプトを棒読みする
- いきなり商品説明から入る
- 「ご都合いかがですか」と相手に丸投げする
- 一度断られて即引き下がる
声のトーンと日程提案、地味だけど効く2つ
声のトーンって意外と教えにくい部分なんですが、私がいつも伝えているのは「出だしは明るく、本題は少し落ち着いたトーンで」という使い分けです。ずっとハイテンションだと軽く見られるし、ずっと硬いと警戒されます。この緩急、慣れるまでは録音して自分で聞くのが一番早いです。
日程提案も同じくらい重要です。「いつがよろしいですか」と聞くと、相手は考える手間が発生して面倒に感じます。「来週の火曜か木曜の午後でしたら、どちらがご都合よろしいですか」と二択で出すだけで、返答率がかなり変わる実感があります。選択肢を絞ってあげるのも、こちらの気遣いの一つだと思ってます。
成功率の低さとどう向き合うか
テレアポは、BtoB・BtoCどちらにおいても成功率自体が低い施策だという調査結果があります。感覚的にも、10件かけて1件アポが取れれば上出来という現場は多いんじゃないでしょうか。
ここで大事なのは「断られることが前提」という心構えを最初からチームに共有しておくことです。断られた回数を失敗としてカウントするのではなく、トークの改善材料としてカウントする。私は部下に、断られた理由を一言メモさせるようにしています。これが積み重なると、次第にトークの精度が上がっていくのが数字にも表れてきます。
練習方法としては、ロールプレイで「厳しい相手役」を演じてもらうのが効果的です。優しい相手役との練習では実践力がつきません。
テレアポ以外の選択肢も頭に入れておく
最近は決裁者と直接つながれるマッチングサービスを使う企業も増えてきていて、テレアポに比べてROIが改善したという事例も紹介されています。こうしたサービスには登録している決裁者の数が一定規模あるものもあり、アプローチの起点として一定の有効性があるようです。
とはいえ私自身は、テレアポがなくなるとは思っていません。声で一発で温度感を測れる手段は他にないですし、むしろ複数チャネルを組み合わせて使う時代になってきたという感覚のほうが近いです。テレアポで鍛えた「断られ耐性」や「要点を短く伝える力」は、どんな手法を使う上でも土台になると思っています。
まとめ
テレアポはしんどい仕事です。断られる方が圧倒的に多いし、数字が出るまで時間がかかる。でもだからこそ、事前準備と小さな工夫の積み重ねが如実に差として出る仕事でもあります。
今日書いたことは、どれも特別なテクニックじゃありません。時間帯を考える、断る理由を潰す、トーンを使い分ける、日程を絞って提案する。どれも地味ですが、やるとやらないとでは結果がかなり変わります。部下の指導をする立場の人は、ぜひ「断られて当たり前」という空気をまずチームに共有することから始めてみてください。


