障害のある部下に営業をどう任せるか:合理的配慮と目標設定の考え方

営業部長・マネジメント
スポンサーリンク
寅部長
寅部長

この記事はこんな人におすすめ

  • 障害のある部下を迎える、または迎えるかもしれない営業管理職の方
  • 「どこまで任せていいのか」「どう目標を決めればいいのか」で迷っている方
  • 周囲のメンバーに、どう伝えればいいか悩んでいる方

寅部長です。障害のある部下を迎える管理職が最初に迷うのは、「どこまで任せていいのか」ではないでしょうか。気を遣いすぎて仕事を減らすのも、何も考えず他のメンバーと同じにするのも、どちらも本人のためになりません。この記事では、法律で決まっていること(事実)と、私が大切だと考えることを、分けて書きます。

法律で決まっていること:合理的配慮

雇用の場面では、障害者雇用促進法が、事業主に合理的配慮の提供を求めています(2016年4月施行)。厚生労働省の指針の要点は次のとおりです。(出典:厚生労働省 合理的配慮指針、厚生労働省)

  • 配慮は、過重な負担にならない範囲で提供する
  • 配慮の方法が複数あるときは、障害者と話し合い、その意向を十分に尊重したうえで、事業主が提供しやすい措置を選ぶ
  • 過重な負担にあたると判断したときは、実施できない旨を障害者に伝え、求めに応じて理由を説明する。そのうえでも、過重な負担にならない範囲で措置を講ずる
  • 採用後の相談があったときは、迅速に事情を確認し、プライバシーを保護する。相談したことを理由とした不利益な取扱いはしない

指針に挙がっている例には、机の高さの調整、業務量を本人の習熟度に応じて少しずつ増やすこと、出退勤時刻や休暇・休憩を通院や体調に配慮すること、などがあります。大事なのは、あらかじめ決まった正解があるのではなく、本人との話し合いで決めるという点です。ここは営業の現場でも変わりません。

私の考え:営業の仕事を分けて、本人と一緒に決める

営業の仕事は「営業」という一語でまとめられがちですが、実は小さな仕事の集まりです。顧客の下調べ、資料づくり、アポイント、訪問や商談、提案書、見積もり、受注後のフォロー、社内の調整。これを一度すべて書き出して、「本人が力を発揮しやすい部分」「進め方を工夫すれば担える部分」を、本人と一緒に仕分けします。ここで管理職が勝手に「これは無理だろう」と決めてしまうのが、いちばんの落とし穴です。決めるのは、本人との話し合いです。

最初の面談で話し合うこと

配属が決まったら、最初に時間をとって話し合うのがよいと考えます。聞くのは、「仕事を進めるうえで、あらかじめ知っておいたほうがいいことはあるか」「こうしてもらえると進めやすい、ということはあるか」の2点です。障害の内容や原因を詳しく聞く必要はありません。仕事の進め方に関わることだけで十分です。言いにくいことは無理に聞かず、「あとから気づいたら、いつでも言ってください」と伝えておくとよいでしょう。そして、話し合って決めたことは、メモに残して本人にも共有しておくと安心です。

目標設定:下げるのではなく、設計し直す

目標を一律で下げるのは、一見やさしいようで、期待していないというメッセージになります。かといって、他のメンバーと完全に同じ物差しにするのも、仕事の組み立てが違えば不公平になります。私は、①役割に合った成果の指標を決める、②期間と中間確認の頻度を本人と合意する、③他のメンバーと同じ評価の基準(成果と行動)で見る、の3点を意識するのがよいと考えます。評価の基準は変えず、そこに至る道筋を設計し直す、という考え方です。

周囲への伝え方

周囲のメンバーに話すときは、2つのことを守りたいところです。1つは、障害の内容は、本人の同意なく話さないこと。必要な範囲を、本人と確認してから伝えます。もう1つは、伝えるのは「障害の説明」ではなく、「仕事の進め方で変わること」だということです。周囲のメンバーには、無理な依頼をしないよう、はっきり伝えるのがよいと考えます。善意の頼みごとでも、本人が断りにくければ負担になります。本人の意向を確かめたうえで、依頼の窓口を管理職に一本化するなどの仕組みが有効です。

管理職としてできること

私自身、管理職として障害のある部下と一緒に働いた経験があります。採用の基準は、障害の有無ではなく、能力とポテンシャルで見るのがよいと考えます。入ってきてからも、「障害があるから」ではなく「この人の力をどこで活かすか」を軸に、仕事を組み立てるのがよいでしょう。そのうえで、経験が積み上がるかどうかは、本人の力と周囲の協力にかかっています。同じやり方がどの職場、どの人にも通用するとは限りません。

やるべきこと やるべきこと

  • 仕事を分解して、本人と一緒に任せる範囲を決める
  • 合意した内容と中間確認の頻度を記録に残す
  • 周囲には「仕事の進め方」を伝え、無理な依頼を防ぐ仕組みを作る

避けるべきこと 避けるべきこと

  • 本人に確認せず「これは無理だろう」と決める
  • 障害の内容を、同意なく周囲に話す
  • 障害の種類でひとまとめにして、向き不向きを決めつける

出典(すべて確認日 2026-10-09)

[PR] この記事にはアフィリエイト広告を含みます

寅部長 障害者手帳をお持ちで、転職をお考えの方へ

ご本人が一人で悩まずに、障害のある方向けの民間の転職エージェント(dodaチャレンジ)に話を聞いてもらう方法もあります。

対象:障害者手帳をお持ちで就職・転職をお考えの方

タイトルとURLをコピーしました